第35話 ダンジョン探索の終わり

「これより、ダンジョンから撤退する!」


 教官の宣言で私たちは撤退を始めた。

 あかねちゃんは私の肩を掴むと、一気にちからを抜いた。


「重っ、あかねちゃん重っ!!」

「……酷いこと言うわね、のの。」


 私はあかねちゃんに肩を貸しながら移動を始める。

 とはいえ、水晶のところに移動するだけだったので、十分とかからずに撤退は終わった。


 ____急に出てきたオーガは、クレア第一王女親衛隊(笑)が死体を片付けていた。素材や魔石のお金は後で皆に支払うとか。


 何だかモヤモヤとする終わりかただった。


 さて、ダンジョン探索終了後の最終的な私のステータスはこうだ。


名前 足名 のの

種族 人間 レベル 14(2up)

ジョブ 薬師

HP 95/95(10up) MP90/90(10up)

筋力 88(10up) 知力 100(10up) 瞬発力 88(10up) 精神力 101(10up)

アビリティ

生成(薬品)【8】 薬物知識【5】(1up) 精神汚濁耐性【3】 MP軽減【3】 毒物耐性【1】


 知力と精神力がついに3ケタだ。

 これでも初日の朝井に負けるのだからステータス格差は酷い。


 まあ、レベルが14になったんだし、よかったと思う他ない。


 いくつか引っ掛かることを残しつつ、一泊二日の王都ダンジョンの探索は終わった。







「なあ、宮藤。ちょっといいか?」


 ダンジョンからの帰り道。剣野はふと、宮藤に声をかけた。


「どうしたの?」


 宮藤は拳銃を布で磨きながら剣野の方を見る。


「昨日もらった腕輪あるだろ?あれが外れなくてさ。鑑定してもらってもいいか?」


 剣野は右腕につけたくすんだ色の腕輪を見せる。

 手首にガッチリとはまったそれは、押しても引いても外れる気配がない。


 宮藤は、「【鑑定】」と呟く。


「ふぁっ!?」


 そして、思わず間抜けな大声を出した。


「お、おい、そんなにヤバい腕輪だったのか!?」


 剣野は真っ青な顔で宮藤に聞く。

 宮藤は、剣野にそっと効果を耳打ちする。


「おお!?」


 剣野も間抜けな大声を出した。


【主の腕輪】

 主と認めた者のステータスを大幅強化し、アビリティを付与する。信頼によって強化の幅やアビリティが変わる。1~10段階。

 破壊不可能、装備解除不可能。

 装備者 剣野に対する信頼度[2]

 効果 全ステータス+100

    アビリティ なし


「一階層じゃろくなものが出ないって言ったやつ、誰だよ!」


 剣野は思わず叫んだ。


________________________________________________________________


 低レベルだった剣野がオークキングの攻撃を受け止められた理由→装備がすごかったから。あと、根性。

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