第64話 おや……?王都の様子が……?

 薬草採取をした翌日。

 採れたビリビリ草でマヒ毒とマヒ消しを生成する。


 出来上がった毒々しい黄色のマヒ毒を薬物知識でチェック。


[マヒ毒] 使用MP18

 皮膚にかかると、その部位が痺れて20秒間動けなくなる。十分な水でしっかりと洗い流せば、すぐに動けるようになる。

材料

 水 ビリビリ草 ハーブ


 抵抗の方法が増えたよ!やったね。

 ……でも、20秒はしょっぱすぎない?


 今日は、できるなら弱そうな魔物も倒してみようかな。レベルを少しでも上げておきたい。


 そんなことを考えながら、軽く身支度を整え、ローブのフードを深く被り、部屋の外へ。


「行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」


 廊下の掃除をしていた宿屋のおばさんに挨拶をしてから、私は太陽が昇ってすぐの王都へと足を伸ばす。


 今日も王都は快晴だ。




「これをお願いします。」

「あ、はい。薬草採取ですね。魔物と狼に気を付けてください。」


 相変わらず眠そうな冒険者ギルドの受付の人は、適当に書類に印鑑を押す。

 今日はウサミミのお姉さんだ。


「ありがとうございます。」


 私は受付の女性にお礼を言ってからギルドの外へと出ていく。


 入れ違いになるように、急いだ様子の冒険者五人組が冒険者ギルドに駆け込んで行ったけれども、一体何があったのだろう。





 足名が王都の外へと出ていった直後。

 入り口を壊さんばかりの勢いで冒険者ギルドの中へと入ってきた五人組は、直ぐに受付の女性へと詰め寄る。


「やべえ!!王都の方にロック怪鳥の群れがやって来んぞ!冒険者どもを集めねえと!」

「いきなりどうし……『ドラゴンの息吹』の皆さん!?」


 酷く慌てた様子のルーラーに、ギルドの受付の女性もつられるようにして焦りだす。


「ルーラー、そんなことをしている暇は無いわ。ラビさん、ギルドマスターを呼んできて。緊急事態よ。」

「わりい、イレイサー。」


 『ドラゴンの息吹』唯一の女性冒険者が、慌てるルーラーの頭をスパンと叩きながら、冷静にギルドの受付の女性に言う。


 叩かれて少しは冷静になったルーラーは、女性冒険者、イレイサーに軽く謝る。


「ロックって……ランクBの魔物じゃないですか!しかも、群れで来るなんて……!!」


 ラビと呼ばれた受付の女性はパタパタと足音を響かせながらギルドマスターの部屋へとかけていく。


「よかったな、ルーラー。しばらく鶏肉には困ることは無いぞ。」


 おちゃらける熊の獣人に、ルーラーは渋い顔をして言う。


「こっちが鳥どもの血肉にならないことを祈るばかりだよ、グルー。」


 快晴の王都に、怪鳥の影がおりようとしていた。

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