第44話 閑話 事後と毒薬

「くそっ、オニカブトなんて混ぜた暗殺者は何処のどいつなんだ!!」


 部屋で荒れているリンフォール王子に、メイドは優しく声をかける。


「王子、心当たりは?」

「第二、第四、第五王子、つい最近俺が執り潰したアレドニア地方の領主に役人にその家族に、俺が裁いた罪人ども。あとは……」

「なるほど、誰が殺ってもおかしくないですね。」


 メイドは聞くのを諦めて、紅茶を机の上に置く。


「毒殺されそうになった直後なのです。多少仕事を減らしても文句は言われません。」

「バカかっ、王族が一体どれだけの命を握っていると思っているんだ!_____ここ案件は第三王子エリックに譲れ。優しいあいつの領分だ!_____俺の親父国王が馬鹿やっている尻拭い位はやらないととっくにこの国は滅んでいるわ!_____カレドニアに送る予定の役人だ。裏を調べておけ!」


 机の前に座ったリンフォール王子は、目の前の書類の山と格闘しながらそう答える。

 荒れる王子の心の叫びを聞きながら、メイドはそっと書類を増やす。


「………くそっ、カレドニアの疫病は、まだ終わらないのか!このままだと全滅するぞ!勇者ガキどもの予算が多すぎるんだ!」


 リンフォール王子は怒りのまま紙の上にペンを滑らせていく。


「いっそ、勇者に治療してもらうと言うのは……。」

「馬鹿か!勇者は他国から無理矢理つれてきた存在なんだぞ!そんなやつらに死地に赴けと口が裂けても言えるはずがないだろ!」


 そっと提案するメイドに、王子はイライラとしながら反論する。


エリック第三王子の母がせめて国内の女だったら!第二王子が有能だったら!老害どもがもう少しおとなしければ!」

「『たられば』など、言ったところで意味がないでしょう。_____宰相の件ですが、どうやら裏がありそうです。」

「クソッタレ!!たまにはいいことを言うと思ったらこれだ!_____あの下女に謝罪しないといけない!胃に穴が空きそうだ!」

「【精神汚濁耐性苦労人の証】は持っているのでしょう?」

「とっくの昔に上位アビリティになっているわ!」


 メイドは差し出された書類を受け取り、紅茶のおかわりを入れる。

 そして、ついでと言わんばかりに口を開いた。


「アシナ様に、普通に頼めば良いのでは?【魅了チャーム】などかけずに普通にお願いすればすんなりと薬を作ってもらえると思うのですが……。」

「……普通など、どうすればいいのかわからんわ!ああ、これなら第三王子エリックに頼むべきだった!」


_____第一王子は、有能だが人付き合いが苦手、第三王子は人付き合いが得意だが血が悪い。せめて、私が手伝えたら………。


 メイドはティーポットをそっと片付けながら思う。


「ああ、ミン、お前は引っ込んでいろ。強いて言うなら暗殺者の始末はやってもいい。が、書類仕事だけは止めろ。」


 書類から顔をあげずにリンフォール王子はメイドに命令する。


 メイドは優雅に一礼すると、その場を離れた。


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 ロキ、圧倒的見間違え。



 連絡及び質問。


 昨夜、作品を更新しようとPvをチェックしたところ、いきなり増えていました。

 何か知っている方がいれば、コメントにて教えてくださると幸いです。(露骨なコメント稼ぎ)


 「僕が死ぬまであと五分」という超短編小説を書きました!思い付くがままに5分で書き上げた作品です。そちらも読んでいただければ幸いです。

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