第十話 八百長騎手追放ゲーム⑩
俺たちはナゾナゾ博士に誘われ、八百長騎手追放ゲームと言う人狼をモチーフにしたゲームで遊ぶことになった。
ゲームを開始後、俺は村人である騎手となり、人狼である八百長騎手は3人居るらしい。
1ターン目は何故か一言も発言をしていない
2ターン目は
彼の他にも
3ターン目は
そして夜のターンとなり、追放した人物がどっちサイドの人間だったのかを知ることができる能力を持つトラックマンの
4ターン目、
5ターン目、
6ターン目、話し合いの結果、投票で1番人気となったのは俺とクロと言う結果となり、決勝投票が行われることになる。決戦投票の議論の結果、
そして夜のターンとなり、
残っているのは俺、
「残り5人まで減ってしまったな」
残ったメンバーを見ながら、ポツリと言葉を吐く。俺の予想では、後1人八百長騎手を追放すればゲームクリアだと思っている。
白確なのは
『では、今回ワシの調査結果を発表しよう。
「そうか。まぁ、お前の虚言など信じてはいないから好きなだけ言うが良い。俺からもひとつ言わせてくれ。このターンが最も重要なターンだ。今回の議論の結果で、どの陣営が勝つのかが決まると言っても過言ではない」
黒出しをされている中、乱れることなく、堂々とした振る舞いで
そんな彼の言葉に少し驚く。
だって残っているメンバーは5名だ。仮に八百長騎手を追放できなかった場合、夜のターンも減ったと仮定して残り3名だ。八百長騎手の勝利条件は、騎手サイドと同数になれば勝ちとなる。
『どう言うことだ? このターンで勝敗が決まるとは思えないのだが?』
俺の言葉を代弁するかのように、ルドルフさんが尋ねる。
「これまでの議論の中で何回か話題に上がっているヤクザだ。俺はヤクザはまだ追放されていないと考えている」
ヤクザ、それは八百長騎手でも、騎手でもない第三陣営だ。騎手と八百長騎手との勝負に決着が付いた時、追放されずに生き残っていた場合、ヤクザの勝利となる。
「そうか。このターンでヤクザを追放できなければ、ヤクザの勝利となってしまう」
「さすが
珍しく
「なるほどね。仮に騎手サイドが八百長騎手を追放できたとしても、ヤクザの勝利条件は決着が付いた段階で追放されずに生き残っていた場合はヤクザの勝利となる。確かに、ヤクザが生き残っていると仮定すれば、このターンでヤクザと思われる人物を追放した方が良さそうだわ」
「俺の中で一番ヤクザの可能性が高いのはルドルフだ。ヤクザが生き残るには重要な役職を名乗っていた方が狙われにくい。仮に夜のターンで襲われたとしても、夜のターンでヤクザは追放されないと言う特殊効果を持っている。役職を騙る、これほどヤクザに取って好条件な隠れ蓑はない」
確かにルドルフさんはヤクザの可能性はある。でも、彼は俺のことを白出ししている。
『ほう、ワシを追放しようと言うのか? だがワシには伝家の宝刀『土下座』がある。追放しようとしても失敗するかもしれないぞ』
「吠えたければ吠えれば良いさ。どっちにしてもこのターンでお前を追放できなければ負けてしまう。なら、賭けに出るのがギャンブルに携わっている者の取るべき手段だ。可能性は低くとも、大穴を当てた時ほど快感はでかい」
思考を巡らせて考えている中、
本当にルドルフさんを追放してみても良いのか? 一度考えたほうが良さそうだ。
彼はこれまで俺と
あ、クロを白出ししている! クロは嘘を付いており、八百長騎手であることを俺は直感のスキルで見破っていた。そのクロを白出ししていると言うことは、ルドルフさんは真の裁決委員ではない!
そうなると、ルドルフさんがヤクザで間違いないと見て良さそうだ。でも、彼には土下座がある。再び使用されればまた生き残られるリスクがあり、彼の勝利に一歩近づくことになる。
でも、さっき
ここは俺も勝負に出るしかない。ひよって他の人に入れても、それは負けに自ら近付くことと同じだ。
議論終了のファンファーレが鳴り、俺はルドルフさんに投票をする。その結果、追放すべき人物として1番人気にルドルフさんがなった。
『そうか。ワシが追放されてしまうのか。だがな、ワシにはこれがある! スキル発動! 土下座!』
ルドルフさんが土下座を発動、ここから先は俺たちの方の運が上か、ルドルフさんの運が上かの勝負だ。
心臓の鼓動が早鐘を打つ中、俺は結果を見守る。その結果、ルドルフさんは追放されることになった。
結果を知った俺は安堵の息を吐く。これでヤクザの危機は去った。後は八百長騎手を見つけ出してそいつを追放することができれば勝ちだ。
夜のターンとなり、役職持ちが行動に移る。
1分が経過して昼のターンになると、
まじか。と言うことは、残りの八百長騎手は
残っている
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