第十一話 八百長騎手追放ゲーム決着
〜
「くそう! 負けてしまった!」
画面に表示されるゲームオーバーの文字を見て、ワシは思わず声を上げる。
スキマ時間に軽く遊ぼうかと思って八百長騎手追放ゲームをオンラインで参加したが、まさか帝王のグループとマッチングするとは思ってもいなかった。
敵対しているあいつと遊ぶなんてふざけているが、一度抜けて再びマッチング相手を探すまでにかかる時間を考えたら時間を無駄にしてしまうと判断し、仕方がなく帝王たちと遊ぶことにした。
マイクが壊れていると嘘を付いてキーボード入力にしたことで、ワシの正体はバレてはいないと思う。
それにしてもヤクザって難しい! 第3陣営で味方はいないし、帝王を思うように動かそうと白出したが上手くいかなかった!
しかもゲームとは言え、このワシが2回も土下座をすることになるとは!
まぁ、どんな手を使ってでも勝ちに行こうとした結果、使ってしまったのだから文句は言えぬ。
「さて、それでは気を取り直して
〜
ナゾナゾ博士に誘われて始めた八百長騎手追放ゲームも大詰めとなった。競馬で言えばゴール板まで残り100メートルで3頭が競い合っていると言った感じだろう。
残っているのは俺と
つまり、残りの八百長騎手は
俺がこのゲームで勝つには、
だけど、俺と彼女はそこまで接点がない。上手く味方に付けなければ負けてしまう。とにかく先手必勝だ。
「勝負は決まっている
「それは俺の方でも言えることだ。
「まさか、こんなに重要な役割がこの私に回ってくるとは思わなかったわ。そうね。なら、私を口説いてみてよ
「はぁ?」
「口説くことができないのなら、あなたに票を入れるわ」
「ちっ、そんなことを言われたら仕方がない。
「誰がそんなことを言えって言ったのよ?」
「いや、ちゃんと
「私の言いたいことが伝わらないなんて、本当にアレに関しては赤点よね。取り敢えず15点ってことで。それじゃあ
「え?」
思わず短い声が漏れる。
口説けって言われても、殆ど接点がなかったからあんまり知らないぞ。
それなのに
「えーと、変装が得意なところ……がすごいなぁって思う」
「3点ね」
3点ってめちゃくちゃ低いじゃないか! これって50点満点? 100点満点だった場合はやばすぎるのだけど!
「分かったわ。それじゃ
「どうして俺がそんな茶番に付き合わないといけない」
「良いから。でないとあなたを追放するために票を入れるわよ」
「ちっ、面倒臭い。だが、ゲームで勝つにはお前に
え? この演出があるってことは、
あれ?
「言っておくが、俺はお前のことは大好きではない。だけど知り合いとして好きか嫌いかの2択であればもちろん好きだ。それは嘘偽りのない俺の本心だ」
再び
彼の言葉が耳に入った瞬間、-
「ふーん、私のことが好きなんだ」
「だから知り合いとしてだと言っているだろうが! お前に恋愛感情は抱いていない!」
2人のやり取りを見ていると、リア充爆発しろと言いたい気分になる。人が見ているところでイチャつかないで欲しい。
「それじゃあ、次は
「なんでそうなるんだよ!」
どうしてここでそんなことを言わないといけない。そもそも、彼女は前のターンに追放されてゲームオーバーとなったじゃないか。
「あーあ、2人をおもちゃにして遊ぶ時間は終了か。もっと楽しみたかったのに」
「ふぅ、地獄の時間がやっと終わったか」
「お前の言葉に激しく同意する」
罰ゲームに近い時間が終わったことで安堵すると、投票へと移行する。
俺、負けたな。絶対に
ゲームオーバーになることをほぼ確信しながらも、俺は
すると、その結果2票入ったのは
「ごめんね。私の直感のスキルが発動して
まさかのカミングアウトに、俺は苦笑いを浮かべる
この小悪魔娘が!
こうして最後の八百長騎手が追放されたことで、俺たち騎手側の勝利となった。
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