第二十二話 露天風呂の乙女たち(前編)
今回は温泉回となっております。男性読者様が読んでいて思わずニヤニヤとしてしまうような展開を意識しつつ、女性読者にも配慮した内容を心がけているつもりです。もし、女性読者様を不快にさせるような場所などがあれば、修正いたしますので、教えていただけると助かります。なお、この作品は性描写ありにしてあります。
〜クロ視点〜
遊技場で帝王とレースをした私は汗を掻いていた。
それもそのはず、通常の霊馬競馬と同様の体勢を取りつつ、2分以上も体勢を維持していたのだから。
「ふぅ、暑いわね。って、帝王汗びっしょり!」
「そう言うクロだって汗を掻いているじゃないか」
汗を掻いていることを指摘され、私は少しだけ恥ずかしくなった。
私の汗って臭くないかな? 汗臭い女だと思われたくないから、あんまり帝王の近くにはいないでおこう。
「どうやら終わったみたいですねぇ」
「2人とも見てよ。競馬のメダルゲームでこんなに稼がせて貰ったわ。これをポイントに還元できないのが残念だけど」
帝王との距離を少しだけ空けると、
どうやら私たちがレースゲームで遊んでいる間にメダルゲームで遊んでいたみたい。
「ねぇ、そろそろ温泉に入らない? 私、汗を掻いちゃった」
「そうね。汗を掻いている女の子をそのままにしておく訳にはいかないし、そろそろ温泉に入りに行きましょう」
『お! 遂に入浴シーンに突入だ! 帝王! お決まりの覗きイベントだね』
「いや、俺は大浴場の方に行く」
『なんでそうなるの! せっかく露天風呂付きの温泉なんだよ!』
ハルウララが何を期待しているのか分からないけれど、帝王が気を利かせて大浴場の方に行ってくれると言ってくれたので、内心安堵した。
まぁ、子どもの頃に帝王と一緒にお風呂に入ったことはあるけれど、あれからお互いに成長しているし、もし私の生まれたままの姿を帝王に見られる時は、お互いの裸を見せられる関係になってからよね。
そんなことを思いながら、私たちは一旦部屋に戻ることにした。
部屋へと戻り、私たちはタオルなどを取り出すと、来ている服を脱ぎ始める。
「
「そんなにジロジロとみないでほしいですぅ。男性の視線が胸に集中するので、小さく見せるブラを付けているのですよぉ」
2人の会話が耳に入り、思わず
何を食べたらそんなに胸に栄養が集中するのよ!
「本当に大きいわね。E? F?」
「じ、Gですぅ」
「「Gカップ!」」
私と
「あ、あんまりジロジロと見ないでほしいですぅ。それに約2キロの錘を付けているようなものなのでぇ、姿勢も悪くなって肩も凝りやすいからぁ、大きくても良いことは殆どないですぅ。寧ろぉ、私はぁ、
「まぁ、あたしはあたしの体型に自信を持っているから、当然よ。さすがにあなたよりは小さいけれど、これがあたしの生まれ持った体である以上、誇りを持たな……きゃあ! って、いきなり触らないでよ!」
「手に収まるサイズであるのにもかかわらずぅ、プニッとした柔らかさがぁ、病み付きになってしまいますぅ。同じ脂肪の塊でもぉ、私のとはぁ全然違いますぅ。やっぱり
「い、いいかげんにしなさいって、もう怒った! そっちがその気なら、えい!」
今度は
「これがGカップの包容力、なんだか安心するわね。いつまでもこうしていたい気分になるわ」
「もう、体重をかけないでください。重いですぅ」
「ごめん、ごめん。そういえばお祭り娘の方は……」
2人が私の方を見た瞬間、言葉を詰まらせた。
どうせ私のおっぱいはBよりのAですよ。2人に比べたら小さいですよ。
「大丈夫よ! お祭り娘にはお祭り娘の良いところがたくさんあるのだから! 胸の大きさなんて……ねぇ?」
「そうですぅ。女の魅力は胸では決まらないですぅ。この前、とある人が言っていましたがぁ『Gカップなんてただの脂肪の塊に過ぎない。揉んだところで気持ち良くなれない。最高のおっぱいは、手に収まりつつ気持ち良い感触のあるおっぱい』だと力説していましたぁ」
私の心の声が表情にも出ていたのか、2人がフォローしてくれる。
「とにかくぅ、まずは温泉に入りましょう」
「そ、そうね。きっと疲れているからネガティブな発想になるのよ。露天風呂に入って、疲れた体をリフレッシュしましょう」
2人に強引にも引っ張られる形となりつつ、私は露天風呂へと向かって行くのであった。
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