第四話 周滝音の暴走、大和鮮赤の彼氏
〜
放課後、俺はクロと
廊下を歩いていると、茶髪の髪をモテの王道であるクラシカルストレートにしており、茶色のクリッとした可愛らしい瞳の女の子と、毛先は白くなっているツートンカラーのショートヘアーの女の子がこちらに向かって歩いてくる。
「お待たせしましたぁ」
「待たせたな」
「俺たちもさっき教室から出たばかりだ」
これから俺たちは、彼女の提案で
「それじゃ、行くか」
「待って、まだ揃っていないわ」
全員が揃ったと思い、学園長室に向かうようにみんなに促す。だが、そこで
まだ揃っていないって。他にも声をかけた人がいるのか?
彼女が声をかけそうな人物に心当たりがないか思い出してみると、1人だけ思い浮かんだ。
もしかしてなぞなぞ博士だろうか?
そんなことを思っていると、こちらに向かって歩いてくる人物が視界に入る。
1人は黒髪のオールバックに、耳にはピアスをしてある鋭い目付きの男だ。もう1人は。真剣な表情をしている茶髪の男である。2人とも、腕には風紀委員の腕章がしてあった。
「待たせたな。俺たちで最後か?」
どうやら彼らも呼んだらしい。正直に言って、珍しいと思った。どんな風の吹き回しだろうか?
「ええ、それじゃ、行きましょうか。
彼に取っては可哀想な立ち位置だが、これなら親子のように仲良くなりたいからと言って近付いても、先に
彼女の足の長さの範囲外にいなければならないので、
「うう、僕だけ仲間はずれにされた気分」
目的地に向けて廊下を歩く中、
「
「はーい。どうぞ」
「あら? 思っていたよりも大勢で来たのね。ちょっとだけびっくり」
「大勢で押しかけてしまい、申し訳ありません。みんな絆アビリティのことに付いて知りたいと思っている者たちです」
「そう。分かったわ。なら、絆アビリティのことに付いて話すわね」
「え、ええ、ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! それじゃ!
突然意味不明なことを叫び始める
こいつ、いきなり何を言い出すんだ?
「はぁ?
「いや、それは
まさか
彼氏の存在に驚きつつ、誰なのか心の中で思案していると、急に両足に痛みが走る。
足元に視線を向けると、クロと
「痛いじゃないか。どうして急に俺の足を踏む!」
「あ、ごめん。帝王の足に悪い虫が居たから反射的に足が動いた」
「奇跡の名馬さんごめんなさいですぅ。クロさんと同じでぇ、こっちにも悪い虫がいたのでぇ、反射的に足が動いてしまいましたぁ」
悪い虫ってなんだよ。それにいたからと言って踏まなくていいだろう。
彼女たちの行動に一度視線が俺に向けられるが、直ぐにみんなの視線は
「兄さんのバカ。勘違いをしているわね。でも――」
どうやら彼女の兄である
「言っておくけど、あたしに彼氏なんていないわよ」
「それは本当! やった!
「だからパパではないでしょう!」
彼氏なんて者はいない。その事実に安心したのか、
「ふぅ、
「そうですぅ。安心しましたぁ」
続いてクロと
どうして彼女たちが安心するんだ? もしかして
『ふむふむ。どうして
「お前が探偵ごっこを始めたら先に進まなくなるだろう」
推理ごっこを始めようとするハルウララを取り押さえ、俺は
「ちょっと話が脱線してしまってすみません。早速ですが、絆アビリティのことを話してくれませんか?」
絆アビリティのことを話すように促すと、
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