第十八話 馬生ゲーム 全盛期編 後編
あれから数ターンが経過した。色々なイベントが起き、バトルも発生してみんなファン数は僅差となっている。
全盛期も残り1ターンだ。全盛期最後のルーレットとなり、俺は所持している移動系のカードとマスを確認する。
今俺が持っているのは9のカード、そしてマス先には、超ラッキーマスになっている。使うなら、今しかない。
9のカードを使い、全てのルーレットの数字が9になる。ルーレットを回して9を出し、超ラッキーマスへと進んだ。そしてイベントが始まる。
『3度目の骨折を乗り越えて有馬記念で優勝したトウカイテイオーも引退の時期がやって来た。引退式にはダービー優勝時のゼッケン20を付けてファンにお披露目となり、引退する。これからは種
引退するのにファンが増える。個人的には微妙な展開だが、このゲームはファンが多い人が勝ちなので、このような仕様となってしまうのだろう。
「次はあたしね。全盛期、最後のターン。いくわよ」
『海外デビューも視野に入れていたダイワスカーレットだが、病気を患ってしまい、そのまま引退をしてしまう。彼女は生涯で1着か2着しか取ることがなく、生涯連対と言う快挙を達成した。これからは繁殖牝馬となって、余生を過ごすことになった』
俺に続いて、
「うっし、それじゃ、アタイの番だ!
『ドバイワールドカップを引退レースに決めたウオッカは、日本を出てドバイへと向かった。しかし、ドバイワールドカップの前哨戦でもあるマクトゥームチャレンジラウンド3の最中に、2度目の鼻出血を起こし、8着で敗れた。ドバイワールドカップ出走を断念し、望まぬ形で引退をすることになる。これからは繁殖牝馬として余生を過ごすことになった。ファン5000人獲得』
「あー、やっぱりこんな終わり方かよ。ファンの獲得数も思ったよりも少ないし、本当に悲しみマスだな。
あまり良くない結末に、
「よし、俺の番ッス! これまでルーレットは3のみ、カードもなぜか3のカードしか出なかったッスが、3マス先は普通のマスッス。最後は何もない安定した終わりで行くッスよ! それッス!」
彼の駒が3マス進む。その瞬間、止まったマスが不穏な紫色に代わり、マスが変化すると、悲しみマスへと変化した。
「どうして嫌な方に確変するッスか! どうせ確変するのなら、超ラッキーマスに代わって欲しかったッス!」
予想していなかった展開に、
正直、俺もこんな展開が隠されていたとは思ってもいなかった。
悪い方にも変化することってあるんだな。
彼が落ち込む中、イベントが始まった。
『左前脚を骨折したナイスネイチャは、休養に入った。復帰後のレースでも低迷が続き、その年の有馬記念では9着に終わる。翌年の中京記念が掲示板入りの4着を最後に、彼はその後のレースで最高6着と言う成績に終わる。有馬記念の出走を控え、出走できれば6年連続出走となるが、右前脚の不安があったため、出走を回避してそのまま引退することになった。これからは種
「ナイスネイチャ、お疲れ様ッス! 3に縁のある馬生だったッスけれど、色々なイベントが見られて楽しかったッスよ」
ナイスネイチャに感情移入をしているのか、
感受性が豊なのか分からないが、ゲームでよくそこまで感情移入ができるな。
「それではぁ、私の番ですねぇ。でもぉ、アストンマーチャンは現役時代に亡くなっているのでぇ、引退ストーリーはないはずなのですがぁ?」
自分の番となり、
アストンマーチャンは、現役で亡くなった名馬だ。なので、引退することもなく、彼女の子孫も存在していない。アストンマーチャンのイベントで、彼女はシルクロードステークスを回避した。なので、死ぬことなく現在も生き続けていると言う設定になっている。
『体調を崩したアストンマーチャンは、原因不明の大腸炎であるX大腸炎を発症し、入院することになった。これからは入院生活を送ることになる。ファン8000人獲得』
「う〜ん、少し雑な終わり方のような気がするのですがぁ、アストンマーチャンならこんなものでしょうねぇ」
小首を傾げながら、
「まともなイベントがあるだけマシよ。私なんか、真名とは違う馬になったからどうでも良いイベントばかりなのよ」
小さく息を吐きながら、クロが呟く。
彼女のゲーム内での馬はヤマニンジュエリーだ。そこまで多くの活躍をしていないのか、殆どイベントが用意されていない。なので、面白みも半減しているのだろう。
「まぁ、逆に気楽にできるからいいのだけどね」
クロがルーレットを選択してルーレット盤を回した。彼女の出した数字は1であり、1マス先は普通のイベントマスだった。1マス進み、イベントが発生する。
『可もなく不可もなしの馬生を過ごすヤマニンジュエリーは引退した。ファン3000人獲得』
「ほらね、これで終わりよ。真名通りの馬だったら、もっと色々なイベントがあったはずなのに、どうしてこうなってしまったのよ」
「クロちゃんの名馬が何なのかナゾだナゾ? でも一応は殆どの馬を入れているナゾ? クロちゃんの口ぶりからすると凄い名馬なのは分かるナゾ? 考えられるとしたら、最初の質問を答える時に、間違えたか、敢えて本心とは違う選択肢を押したかナゾ?」
「あっ!」
なぞなぞ博士の言葉に、クロの口から声が漏れた。彼女の表情から察して、思い当たるところがあるのだろう。
「さて、泣いても笑っても、次が最後ナゾ? 最後は繁殖時代ナゾ? この時代では、プレイヤーの馬の代わりに子どもが活躍するナゾ? それでは、やってみようナゾ?」
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