第10話これは御褒美ではない
「…ゴクッ…」
思わず溜まった唾液を飲み込む。当たり前だろ?目の前には三人の水着の美女…。言っておくがここは俺の部屋だ…。1人は姉、1人は妹、そして同級生の女の子。当たり前の事だが俺は男、しかも思春期の男だ。姉と妹は俺とは父親の種が違うものの家族だ。幼い頃は風呂にも一緒に入ったし鋼の精神で耐える事が出来る(筈)。もう一度敢えて言おう…私は思春期の男であると!!!
問題は彼女だ。水着はリボンビキニを着用している。素肌とはこんなに美しいものなのかと思わせる極め細かい白い肌。発育途中の推定Bカップの張りがあり尚且つとても柔らかそうな双丘。しっかり括れた腰のライン。動くと水着が食い込むのか指をお尻と水着の間に入れスッ~と水着を直す男には堪らない仕草。そしてそこから伸びるスラッとした綺麗な脚。うつ向き気味に頬は赤くポニーテールだった髪はサイドポニーテールへと変えている。俺は身体に熱を帯びて来た為距離を取りベットに腰掛ける。
目を離さないといけないのに離せない。早い話、彼女の水着姿に釘付けになっているのだ俺は…。
「…と、豊和君?…あ…あんまり…見られると…流石に恥ずかしぃ…です/////」
遥の一言で我にかえる俺。慌てて視線を遥から外す。
「ご、ごめん…その…え~と…水着姿といつもと違う髪型に見とれてた…不快だったよな?ホントゴメン!」
「ち、違うの…は、恥ずかしかっただけで…あの…そんな風に言って貰えて嬉しい…よ」
「ガハッ…」
「豊和君!?」
「あ~大丈夫だよ!遥ちゃん。あれは男だったらダメージを受ける流れだっただけだから…それにしても豊和!お姉ちゃんも水着なんだけど反応薄くない!?」
「そうだよお兄ちゃん!お兄ちゃんの為に渚も水着着ているのにぃ!」
「いや、姉と妹にそんな目を向けるのおかしいだろ?一応血が繋がってるんだから…」
「「全然おかしくない!!」」
「それはおかしくないと思うよ豊和君?」
「えっ?」
「だって姉や妹でも結婚してる人多いよ?身近で一緒に育ったからこそ安心出来てずっとそのまま一緒に居る事が多いってテレビでも言ってたし…だから余計に男性と出会うのが少なくなったとも言ってたよ…」
「人は人、俺は俺だ、遥よ」
「そ、そうなの…かな?」
「「違うわ、遥ちゃん!!」」
「さっきから何が言いたいんだ?姉ちゃんと渚は?」
「キャロルって呼ぶように言ったわよね?」
「あ…はい。キャロル」
(くっ…あの瞳がどす黒くなった時の姉には逆らうわけにはいかない!)
「(ニヤリ)…ところで、豊和?」
「(何だあの笑みは?)な~に、キャロル?」
「アンタ遥ちゃんには欲情してたわよね?」
「…っ/////」
「……ノーコメントだ」
「アンタは私と渚には欲情しないのよね?」
「…何言ってんだキャロルは?何が言いたいんだ?」
「し・な・い・の・よ・ね?」
「してたまるかぁ!」
「フフフ…それでこそ私の弟、豊和よ」
「…めちゃくちゃ不気味なんだが?」
「アンタ光莉ちゃんの写真集って確か水着もあったわよね?」
「……仮に…仮にあったとして…だから?」
「私達三人光莉ちゃんの写真集と同じポーズをするから反応しなかったらアンタを諦めてあげるわ」
「「反応って……ぁぁ/////」」
「遥と渚が困ってるだろ!?」
「だ、だだ大丈夫だよ、と、豊和君。保険体育で大きくなることは習って…し、知ってるから/////」
「渚もこの間…それくらいの事習って知ってるよ/////」
「良いから2人共黙っててくれ!」
「それでどうするの豊和?」
(…この勝負…勝てる気がしないなぁ。というよりはもう俺の息子は既に負けているのだから…悲しいかな。これが思春期の…若さ故の過ちという奴なのだろう。問題はいかにこの三人を部屋から出しこの状態の息子の存在を隠すかだ!全力で考えろ俺っ!)
「返答が遅いけど豊和……もしかして貴方…まさか、もう?」
「んな訳ないだろ?(ヤベー!姉の洞察力半端ねぇ────────っ!!???素数だっ!今の内に素数や政治を考えるんだ!)」
「(じーっ!)…豊和今すぐ立ちなさい!それとももう立ってるかしら?」
「…馬鹿だな姉ちゃん?」
「何ですって!」
「望み通り立ってやるよー!」
バッ!!!
「「「(じーっ)」」」
─遥と渚は手で目を覆いながらも指の隙間から確認している。キャロルは…言わずもがなじっくり見ていやがる!
「私の予想が外れた…?それとも時間を掛けすぎた…?」
「キャロルお姉ちゃん。お兄ちゃん大きくなってないみたいだよ?」
「フッフッフッ…キャロルよ。俺の勝ちだな?」
(間一髪間に合ったな。直弘…お前のお陰だ。お前に襲われる想像をしたのが功を奏したのだ…)
「まだに決まってるでしょ?何言ってんのアンタは?」
「何だ…と?」
「勝負を受けたみたいだから私からポーズをとるからしっかり見ておきなさい!」
「すいません!俺の負けで構いませんのでそれ以上は勘弁して下さい!」
「えっ?駄目だけど!」
「……えっ?」
「えっ?じゃ無いわよ。何言ってるのアンタは?」
「はっ!?」
「アンタはそこに座ってて良いからね。私達は写真集と同じポーズをとるからしっかりと見ておきなさい!その
「はぁ────っ!?おかしいおかしいって!地獄か!ここは地獄の一丁目なのか?俺、男、貴女達女の子!アーユーオーケ?」
「英語の発音おかしいけど突っ込まないでおくわ!まぁ、とにかく決定事項なうえにある意味つっこみたいなら私達いつでも良いから♡」
「♡じゃねぇーよ!そこの2人も止めてくれ!」
「わ、私…初めてだけど…が、頑張るから♡」
「そこはまだ頑張らなくて良いから遥!」
「お兄ちゃん、わ、私も頑張る!」
「お前も頑張るなっ!キャロル!母さんを呼んでくれ!」
「これお母さんの提案よ!アンタ鈍いからだって!どうせこうしても手は出さないだろうから懲らしめろだって…後、本当に男かって言ってやれだって!」
「かぁぁさぁぁ────────ん!!?」
(実の息子に何言ってんだあの人は。いや、これが男性が少ない世の常なのだろうか?)
結局…渚、遥、キャロルによるグラビアポーズが御披露目される事に。本来ならこれは御褒美になるのかも知れない。一番手渚なんて可愛いものだった。だが…遥。ヒロインの遥が照れながらのグラビアポーズ。フッ……ボクは耐えられなかったよ。テントを張った息子にも気付かれ、そして何よりこの部屋で皆で寝るという地獄を味わう事に。俺の部屋じゃ無い様にこの部屋は女性の甘い良い匂いが漂っていたのだった…。
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