第2話登校
玄関を元気に飛び出した俺は朝から太陽の光が降り注いでいるのが心地好く感じた。初めての学校生活が始まるからだろうか?家の前の道端に向かうと2人の女性の姿。幸子と深雪。俺の幼馴染みだ。
「豊ちゃん遅い!」
「豊和待ってたよ!」
「悪い悪い。朝から姉ちゃんに色々言われててな」
「あ~、なんとなく想像出来たよ…」
「キャロルさんも豊和が大好きだからねぇ~」
「参るよなぁ?ブラコンが過ぎる気がするよ……んっ!?…も、って何だ深雪?もしかして渚の事か…アイツも大概ブラコンだから俺としてはあの2人の将来が心配だよ…」
「はぁ~…豊和はコレだから…」
「深雪ちゃん私達ももっとアピールしないと駄目かな?」
「かもね。これだけ好意向けているのにね…コイツは…」
「何て?2人でコソコソ話されても聞こえないぞ?」
「「馬鹿…」」
「いきなりの馬鹿呼ばわりかよ!2人共ジト目は止めてくれ」
「「フンッ!!」」
「…ったく、何で怒ってるだか…?まぁ、それより直弘はどうしたんだ?寝坊か?」
「根来君なら麻季ちゃんと護衛官の人連れて先に学校へ向かったよ」
「麻季と根来君ラブラブだからね~」
「あの野郎!朝から何て羨ましい…もとい、俺を置いて行きやがって!」
「豊ちゃん今羨ましいって言った?私達が居るのに?」
「…言ってません」
「言ったよね豊和?」
「…いいえ…何も…」
「「お三方。のんびり何時までもイチャイチャされますと遅刻しちゃうよ!!」」
「「「イチャイチャ何てしてないから」」」
「「イチャイチャ以外の何者でも無いと思うけど…。まぁ、その内その中に私達も入れてね!!」」
「さぁ、学校へと急ごうか!幸子!深雪!」
「「うん」」
「「ちょっとぉぉー!!私達の扱い雑過ぎぃぃ─────!!」」
******
「ねぇ、あの人が今年入る3人の男の子の1人かな?」
「絶対そうだよ!」
「えっ、マジカッコ良いんだけど/////」
「あの人の横に居る2人はもう彼女なのかなぁ?」
「出遅れた!?」
「何人彼女いても良いんだけど♡」
くっ!?今カッコいいって聞こえたけどマジ!?俺の事かなぁ…。周りには俺しか居ないし俺の事だよね。初めてカッコいいって言われた気がする。なんだかニヤけてしまう。
ドッ!
「ぐふぅ…み、深雪何…を?」
「豊和がニヤニヤしてるからでしょ!」
「し、してない」
「「してたっ!!」」
「くっ…2人掛かりかよ…。だ、だって初めてカッコいいって…言われたし」
「そ、そんな事で豊ちゃんニヤニヤしてたの?」
「そ、そんな事って…やっぱり言われたら嬉しいし…」
「と、豊和はカッコいいよ/////ふ、普段は言わない…けど…ね」
「そ、そうだよ。豊ちゃんはカッコいい…よ/////」
「そ…そうか?2人に言われると何だか照れる…な」
「「う…うん/////」」
「「「良いなぁ~!」」」
「あそこだけ空気が違うわ…」
「甘いな」
「「「「「甘いね…」」」」」
「私達もいつか男性と…」
「ねぇ、お姉ちゃん?」
「どうしたの渓?」
「私達蚊帳の外な気が…」
「くっ、分かってるけどそれは言わないで」
「…だよね」
ちょっと居づらいというかむず痒いというか変な空気になってしまった。幼女の双子…ゲフンゲフン!…双子の護衛官の方は少しいたたまれなく感じてしまうな。見ている分にはポコポコポコポコお互いを叩きあってホッコリするけどね…。取り敢えず学校に急ごうぜ!時に幸子に深雪よ!突然腕を組んで来るなんてどうした?道に迷いそうなのか?違う?分からないのかだって?分かる訳無いと思うが…。言いにくいんだが…その…な、柔らかい所が当たってるというか…。えっ!?
当ててる!?何の御褒美?2人して頬を膨らませない。可愛いだけだから!…そんなに真っ赤になられたら言ったこっちまで恥ずかしいわ!
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