第21話昼休み
「…どうしたの豊和?」
あの後、遅刻したもののちゃんと授業を受けそして昼食の時間になり俺は深雪と2人、屋上へと足を運んだ。
「ちょっと2人で話たい事があって…」
「話したい事って、う~ん……もしかして遥にキスした事?」
「えっ、分かるの?」
「そりぁねぇ~、豊和の事だし…。遥にキスしたから私が気にしてると豊和は思っちゃったのかな?」
「うん」
「私が言ったのに怒る訳ないでしょ!それに…嫉妬とかの感情より嬉しさの方が大きかったよ!これで私達はずっと一緒に居られるって…」
「そう…か」
「だから…」
「だから?」
「今夜は遥と頑張らないとね?テヘッ」
「テヘッじゃ無いし、頑張るって何だよ?」
「えっ、そんなの決まってるじゃん」
「いや…そんな直ぐに身体を重ねる訳無いだろ?そういうのは普通…こう、気持ちを伝え合ってだな…」
「…だと、いいけどね」
「…今日は深雪の部屋に寝ていいか?」
「嬉しいけどそれは駄目かな。それに豊和の部屋に来た女の子に恥をかかせたら駄目だからね!私達は皆で幸せになるんだから!」
「…善処するよ」
「うん、それで良いんだよ!」
「深雪…」
「何?…んっ♡」
昼間から唇を重ね合わせる。深雪を可愛いと思ったら我慢出来なくなってしまった。俺の自制心が効かなくなってきた気がする…。
「チュッ♡んんっ…もう…学校でキスするとは思って無かった…よ?」
「深雪とキスしたくなったから…今、ここには俺達以外居ないし…深雪と触れ合いたいし愛おしく感じるから…」
「…そんな言い方はズルいよ豊和。私も抑えきれなくなっちゃうよ?」
「深雪……」
「とよか…ず…」
「あのね…2人共良い雰囲気の中悪いと思うんだけどここは学校だから…ね?」
「「は、遥!?!?」」
俺達は慌てて少し距離をとる。
「豊和君を探してたら茜ちゃんが屋上と言ってたから来たんだけど…」
「えっ、茜先輩。俺の居場所把握してるの?」
「大体分かるみたいだよ」
「驚愕の事実だな…。それで遥はどうしたんだ?」
「あっ…うん…今朝の件が嬉しくて…逢いたくなっちゃった♡」
「それじゃあ、遥に譲らないとね!2人ともゆっくり良いから、授業間に合わなかったら言い訳しとくから!」
「おい、深雪!」
「……」
「豊和。多分、遥はもう止まらないんじゃないかな?優しくしないと駄目だよ!鍵は任せて!入れない様にしておくから」
バタン!
言いたい事を言って鍵を閉め出ていく深雪。なぁ、何で屋上の鍵があるんだ?また茜先輩か?まぁ、茜先輩ならなんでもしそうな気がするが…。遥が傍にそっと座り込みこちらを上目遣いで頬を赤らめ見つめてくる。破壊力が凄いんだが…。
「ありがとうね…豊和君」
「んっ…ああ、今朝の事?」
「うん…」
「約束してたし、何よりあんな奴とは思っていなかったしな、当然だろ?」
(主人公があんな性格って思っていなかったよ。最初は友達になって恋ばなとかするつもりだったのにな…)
「うん。私は豊和君に何度も救われて、その度豊和君の事が大好きになっていくんだよ」
「何度も?」
「そう…何度も…チュッ♡」
聞き返して遥の方に顔を向けると至近距離に遥の顔。恋人同士が行う激しく甘いディープキス。遥に吸い込まれる様に何処までも堕ちて行く。
「ぷはぁ…はぁはぁ…豊和く…ん。私…私もう…」
「遥…好きだよ。何人もの女の子に手を出そうとする不誠実な男だけど好きだからな」
「うん♡私達の間では一つも間違って無いから。好きって…豊和君に言われるだけで私達は嬉しくて幸せなんだよ。だから…来て♡」
「…遥」
「とよか…ず…くん♡」
────不思議な感覚…。ゲームのメインヒロインと肌を重ねる。肌を重ねた瞬間…俺の身体なのに、なんと言えば良いのか…?そう…言うなればこの今の俺の身体が自分のモノになった。と言えば良いのだろうか?おかしいことを言ってるのは分かってるけどその時、本当にそう感じたんだ…。何なんだろうかこの感じは…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます