第22話ご機嫌な遥と不機嫌な唯
ボク達2人は屋敷へと帰る道すがら学校から今いる住宅街迄、終始鼻歌を口ずさむ唯が何でご機嫌なのか気になり尋ねてみる事にした。
「ふんふん♪ふふふ~ん♪」
「えらくご機嫌だね、遥は。昼休み居なかった事と関係してるのかな?」
(今日は朝からアイツが来たせいで落ち込んでいるかと思ってたけど杞憂だったかな?それとも豊君からキスされた事が嬉しすぎたとか?)
「…うん♡エヘヘ♡」
「何があったんだい?」
「実はね、豊和君のモノに漸くなれたの♡」
「………はっ?」
(…遥は今何と言った?)
「あっ…唯の驚く顔久しぶりに見た」
今モノって、言った?姿を見なかった昼休みにか?聞き間違いじゃ無い…はず…。事実なら驚くのも当然だろ?
「…豊君のモノになったと言ったかい?」
「うん♡」
見た事も無い遥の笑顔。どうやら嘘では無いらしい…。しかも場所は学校?それもまた一興だね。ボクだってあの頃からずっと豊君に想いを寄せているんだ。羨ましいと思うのは当然だろう。ボクだって早く繋がりたいと思うさ。
「でね!でね!聞いてよ、唯!」
「…何をだい?」
「痛かったんだけどつい幸せ過ぎて豊和君と一秒でも離れたくなかったから大しゅきホールドかましちゃってね」
「まさか伝説の?」
「そう!あれ凄く良いね!お互いに凄く密着出来て!でね!でね!そこから抜かずの5連発…!思い返すだけでもしゅごかった…」
蕩けてるよ。遥が思い返すだけで蕩けてる。しかも5回!?凄すぎるだろ!でも皆を幸せにするならそれ位当然という事か?
「遥…。ボクだって性欲はあるんだよ。そんな羨ましい話をされたら…」
「ゴメンちゃい、唯!でも1つ言っておかないといけない事があったの!」
「何を?」
─不機嫌気味に問い掛けてしまった。
「私達には誓約があるでしょ?豊和君と繋がった時に声が聴こえたの」
「…声!?」
「うん、あの時の声で…『1つ繋がった』って…」
「1つ繋がった?」
「そう聴こえた後、より豊和君が近くに感じれたよ!」
「…なるほどね」
「何か分かったの?」
「その前に遥に聞いて置きたい事があるんだけど告白はされたかい?」
「うん♡」
「なら、推測だけどボク達と本当に繋がりたいと豊君が望み身体も心も繋がる事で誓約が果たされるのかも?」
「じゃあ…繋がっていなかった場合は豊和君は消えてしまう…?」
「…考えたくない事だけど可能性はあると思う。だからボク達にもっと溺れさせないといけないんだよ!これは皆に共有して置かないといけない!」
「うん、絶対離さない!」
ボク達に、もっともっと溺れさせ堕としてみせるから!豊君、覚悟しておくんだね♡
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