第23話抜糸を終え

 高校生活、皆との暮らしにも慣れ始め早くも2週間が過ぎ去っていった。抜糸も無事といって良いのか分からないが問題無く終える事は出来た。まぁ、後は動くかどうかはリハビリ等でどうなるかといったところだな。


 変わった事といえばまずはお風呂。深雪と遥が交互に一緒に入ってくれている。あれだけ一緒に入ると揉めていた他の皆はどうしたかって?俺が聞きたい。いや…皆の裸が見たいとかそういうのでは無くて、でも男だから見たいか見たく無いかでいえば見たいけどもって、深雪と遥には告白したけど1人1人にはまだ告白は勿論していない。そういうのはちゃんと告白してからだよな?でも不思議に思うのは俺だけでは無い筈…だ。ジャンケン大会迄行われた位なんだから!


 俺は遥との関係が進んでからこういうよこしまな気持ちを感じる事が多くなった気がする…。俺って…こんな性欲マシーンだったのか?いや…多分猿よりも酷いと思う。夜は夜で深雪と遥が交互に日替わりでベッドを温めてくれる。身体を重ねる回数も多すぎる気がするな…。歯止めが効かなくなっている。煩悩を退治する為、寺に入って修行しないといけないかなと本気で思うわ…。


 病院の帰り道、夕陽が川に反射し綺麗に輝く川を眺めながら川沿いの道を1人歩いていると、


「せ~んぱい♡」


「えっ?」


 声がした方に顔を向けるとそこには綺麗な白髪の長い髪が夕陽に染められまるでオレンジのトパーズの様に輝いている小柄で可愛い女性。知っている…。なぜなら彼女はこのゲームのサブヒロイン、種村光莉たねむらひかり。でもこの世界では彼女とも俺は接点が無い筈だけど人を間違えたかな?


「…え~と、俺?」


「そうそう!先輩以外に私が声を掛ける訳無いじゃん!」


「えっ?会った事無い筈だけど…」

(マジか!俺に話し掛けてきたの?この世界では会った事無いのに?)


「ふむふむ…なるほどね。そういう事か。理解理解!では私は種村光莉。一応アイドルやってる中学三年生だよ」


「はっ?」


「はっ?じゃ無いの!先輩も自己紹介からでしょ!」


「えっ、嗚呼、そうですね。俺は松山豊和です。高校一年生です」


「ぷっ!先輩何で敬語なの?」


「…なんとなく?」


「うんうん、先輩はやっぱり先輩だよ。あの時出逢ってから全く変わって無い(ボソッ)」


「ゴメン、聞き取れなかったんだけど」

「いいのいいの!こっちの話だから。それで先輩は今、何処に住んでいるの??」

(全然出逢えなかったんだから住んでる場所が違うのよね?はアイツで居るみたいだし、先輩は遥先輩の幼馴染みとしてこの世界に来た訳では無いみたいね…)


「いや、なんつ~かそれは…」

(初対面でいきなり家聞かれるとは思わなかったし、何とも言えないし、どうすっかなぁ~)


「……もしかして愛美先輩が関係してる?」


「えっ、愛美先輩を知ってるの?」


「それは勿論。だとすると真冬先輩、美麗先輩、遥先輩に唯先輩ともるって事ですよね?」


「…遥は俺の彼女だしね」


「それだったら先に遥先輩に会わせて貰っても良いですか?その方が話も早いので!」

(早いなぁ~遥先輩。もう彼女になったんだ。なら先に遥先輩に会わせて貰おうかな)


「あ~、一応皆に会えると思うけど…」


「…皆一緒に居る感じですか?(ジロリ)」


「…分かる?」


「先輩の態度と表情でなんとなく察しましたけど…」

(早い!早すぎるよ!先輩達!皆一緒に暮らしてるんだよね?話は一回で済むけど何て羨まけしからんですぅ~!)


「じゃあ!行きますよ!先輩!」

「ちょっ…」


 俺は背を押されながら屋敷の帰路へと着く事に。何でこうヒロイン達から声を掛けられるんだろうな?


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