第24話失った者
「息子とは、隆弘とは連絡は着いたのか?」
「それがまだ連絡が着かなくて…。あなた警察の方は?」
「取り合って貰えん。会社は全て茶道グループに買収や潰され、会社を立ち上げた時からの付き合いだった役員達迄もが裏切って私達を見放した…。残ったのは祖父が持っていたこの古びた家と土地だけ。隆弘が幼馴染みとはいえあんな女にうつつを抜かさず茶道の娘に入れ込んでおればこんな事にはならなかった筈なんだが…」
「あなた…」
「警察も取り合わない所から察するに隆弘は茶道グループに何かされたと思うのが妥当だろう…な。アイツが高校に行って誰かを待っていたのだけは分かっている。幼馴染みの娘にでも会いに行ったんだろうがあの娘は茶道の娘とも仲が良かったからな」
「そんな…隆弘が…」
「どうせ全てを奪われたのだ。憎むべきは全てを奪った茶道の娘。あの娘があのグループを大きくさせて私に牙を剥いたのだ。目にものを見せてやりたいが…」
「…あなた。茶道の娘は慕っている男性はいるのかしら?」
「そう…だな。調べればそれ位は直ぐに分かる筈」
「私の愛する大事な息子を奪ったのよ!同じ痛みを味合わさせてやる!」
「…そうだ、な!どうせ失くす物などもう何も無い。何も出来ないとタカを括っている事だろうからな。あの娘にも絶望を味わって貰うとしよう」
「ええ!必ず─」
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