第11話ジャンケンの勝者

 夕食も食べ終わりお風呂に入る時間になった訳だが1人で入る事は許されないみたいだ。俺の目の前で熾烈なジャンケンが行われている。


「やるわね、深雪!これで5連続あいこなんて…」


「美麗先輩には悪いけど私は私に負けた人の想いを背負って戦っているの。だから負けられないんです!」


「ふん、笑わせないで!それは私も同じ事よ!アイツとお風呂に入るのは私なんだから!」


「…勝負です、美麗先輩!」

「行くわよ、深雪!ジャンケ~ン…」


「グー『パー』!!」


「そ…んな私が負けるなん…て」


美麗先輩がガクッと項垂れた。私は何とか勝利する事が出来たのだ!


「美麗先輩!勝負は時の運です。今回は私の運が美麗先輩を少しだけ上回っただけの事ですよ…」


「深雪」

「美麗先輩」


 美少女が2人目の前で抱き合っている。勝負の内容が下らなくなければ良い絵面なんだけどな…。


「─というか俺の意見は無いのか?」

「「無いわよ!!」」

「即答かよ!お前等分かってる?未婚どころか付き合ってもいないのに肌を見せても良いと思っているの?」


「問題無いわ」

「豊和問題無いよ。わ、私は豊和にね…その…貰って貰うから/////」

「深雪しっかり考えてだな!というより何で裸で入る前提なんだよ!そこはラブコメでも定番の水着だろ?」

「…甘いわ豊和君!」

「…何が甘いんだ遥?」

「真冬ちゃんだけ肌を見せて、それを見た豊和君が興奮したのがそもそもいけないんだよ!」

「ぐっ…」

「遥がそれを言うわけ?豊和の横で致しムグググ…」

「…美麗ちゃんは黙っててね!」

「遥…何かしたのか?」

「ううん、ただ昨日一緒に寝た事を根に持ってるだけだから気にしないでね♡」


 謎の圧が遥から放たれていた。この件には触れない方が賢明だな。


「良いから行くよ豊和。明日学校だから早くしないとね?」

「1人で入れるのに…」

「はいはい、男がいつまでもグチグチ言わない。良いから行くの!」

「どうなっても知らないからな?」

「やれるならどうぞ♪」

「ぬぅぅ…」





───「行ったわね…」


「豊ちゃん深雪を襲わないと良いけど…」

「拙者が見ておくでゴザルよ!」

「茜駄目よ!」

「…お嬢様の命ならば仕方無いでゴザルな」

「茜アンタはもう少しプライバシーを尊重しなさい?」

「そうだよ!茜ちゃん!流石にあんな事見られてたなんて恥ずかしいんだからね?」

「…遥は自業自得でしょうに…」

「うっ…」

「ねぇ、遥さん」

「なぁに、渚ちゃん!」

「お兄ちゃんの手良かった?」

「ふぁっ!?」

「確かに気になるわね?」

「言った方が良いと思うよ遥ちゃん♡」

「…き、気持ち良かった…です♡」

「拙者も今度試してみるでゴザルよ♡」


「「「「「「「「駄目!」」」」」」」」

「シュンでゴザル…」





──そんなやりとりがリビングで行われている頃俺は一種の試練を迎えていた……。


「どうかな豊和…私の身体は?ちゃんと…見て…」


 目の前には照れて頬を朱く染めながらもこちらをしっかり見つめる一糸纏わぬ深雪。いつもは1つに纏めているエメラルドグリーンの綺麗な髪は下ろされ、形も色も凄く綺麗な胸…細く括れた腰…スラッとした細い足…。


 世の中の男達よ、聞いてくれ…。俺は頑張った。頑張って相棒にずっと声を掛け続けた。励まし続けたんだ…。

『立つな立つな立つな立つな立つな立つな立つんじゃ無い!』と……。


 無意味でした…。テヘッ!相棒は天に向け、まるで龍が滝壺から空に向かって飛び立つかの如く力強く己を象徴してしまいました。それを見た深雪はというと目を横にそらしながらも、


「豊和…私に…興奮してくれてる/////」


と、ボソッと恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに言うのです。私の理性のゲージが振りきれそうなのです。そしてまだ試練は終わっていない事を知らず浴室へと向かうのでした…。









********************あとがき♡

今日もフォロー及び読んで頂きまして誠にありがとうございます♡豊和君にはまだ苦難?が続くみたいですが早く続きを!深雪ちゃん可愛いと思われたなら引き続き応援の程宜しくお願いします。星頂けると筆者非常に頑張って物語を紡ぐ事が出来ますので重ね重ね宜しくお願いします。次回はお風呂場での出来事となります。こう御期待という事で美鈴でした♡

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