第10話実は…
夕方屋敷へと戻った俺はリビングへ。皆揃って談笑でもしていたのかな?直弘や麻季に言われた通り正直に言うのが正しいよな?丁度皆揃っている事だし腹括るか!
「食事はまだだよね?今日も皆で食べようよ、豊ちゃん」
「ああ、その前に1つ良いかな?」
「お兄ちゃん誰に告白するつもり?私かな?」
「いや、告白は告白でも違うから!えっと…皆にちょっと聞いて貰いたい事があって…」
「ふん!漸く皆と付き合う事にした訳?遅いのよ!アタシはしょうがないから付き合ってあげても良いわよ?」
「美麗先輩違うから!あ~、俺の左手の事なんだけどな…」
「左手がどうかしましたか松山様?」
「…皆に内緒にしていたんだけど…実は…今の所左手の感覚が無いし全く動かないんだ。でも、心配は要らないから。リハビリや食事療法なんかで治る事もあるらしいから…」
「そんなに酷かった…の?」
「真冬先輩違うから!必ず治るから。それで頼みが皆にあって…」
「ボクは聞くよ、君の頼みを…」
「ふん!アタシだって聞いてあげるわよ」
「「そうそう!!」」
「ありがとう。勝手な頼み事だけど治る迄…じゃなくてたまにで良いから手を貸して欲しいんだ」
「豊和は馬鹿なの?」
「えっ?何でだよ、深雪?」
「決まっているじゃない!ここに居る皆は治る迄というより一生豊和の手になる子ばかりだよ!」
「深雪さんの言う通りですわ!私達は皆で貴方だけを愛してるいるのですから!」
「そうだよ!豊和君。私達の想いを甘くみないでね!」
「お兄ちゃん諦めてね!私達はお兄ちゃんを逃がさないから!」
「豊ちゃん早く私達に溺れてね」
「アタシ達だけアンタは見てれば良いんだから!」
「だからボク達にもっと頼って良いんだよ」
「早く拙者の処女を散らすでゴザルよ!」
「貴方はいつもそう!自分の事より人の事ばかり…だけどそんな貴方だからこそ私達は惹かれていったんだと想うわ。だからもっと頼って!」
「茜先輩には言いたく無いけど皆本当にありがとう」
「酷いでゴザルよ、ヨヨヨ…」
「まぁ、茜の事は捨て置いて、ところでさぁ、豊和は昨日真冬と風呂に入ったんだよね?」
「えっ、美麗さん?このタイミングでそれ聞くの?」
「当たり前でしょ!ア、アタシだって…豊和と入りたいし、おっきくさせてみせたいもの!」
「はっ?………真冬先輩?」
「私じゃ無いわよ!茜が言ったの!」
「あ・か・ね・先輩?」
「事実でゴザルよ!」
「事実だとしてもそこは隠せよ!隠そーぜ!茜先輩!」
「豊ちゃん本当に真冬先輩に見惚れて大きくしたの?」
「久しぶりのジト目は止めろよ幸子!」
「どうなのかな、豊和君♡」
「遥迄聞くのかよ」
「大事な事だよお兄ちゃん!」
「俺は何の公開処刑を受けているんだ?」
「どうなんだい?真冬を見て大きくなったのかい?」
「…言う迄聞くのかよ!」
「当然ですわ!」
「…真冬先輩が綺麗過ぎた…以上だ!俺はもう、何も言わないからな!」
何で俺は腕の怪我の話をしたのに俺の相棒の反応を聞かれているんだろう…。真冬先輩はめちゃくちゃ赤くなって照れてるし。直弘、麻季、頼む!助けてくれー!
─って、俺が気を使わない様にしてくれたんだろう。皆の優しさが溢れた結果だと思いたい。
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