第12話深雪の想い

「はいはい、豊和ここの椅子に座って!」


「…ああ、なぁ深雪、相棒をせめてタオルで隠させて欲しいんだが?」


「駄目ぇ。私も恥ずかしいけど豊和の事は誰よりも全部知りたいから♡」


「しかしだな…」


「…大きいままだね、豊和の/////」

「…言うな。逆におさまる訳無いだろ?」


「そっかぁ、私を見てそんなに興奮してくれるんだ/////」


「…ったく、昔から言ってるだろ?深雪は可愛いって!そんな子に好かれてこんな事されたら男や俺は馬鹿だから身体は反応してしまうって…」


「ねぇ……豊和だけが…反応していると思ってるの?」


 後ろから身体をピトッと寄せられ柔らかく弾力がある感触を感じながら耳元で囁かれるその言葉に余計に身体が熱くなるのを感じる。駄目だ。気が狂いそうになる。追い討ちを掛ける様に尚も深雪は囁き続ける…。


「…私も濡れてるんだよ…。身体が反応してるの…。豊和を想って1人でした事も…勿論あるから/////」


 流石に限界だ…。心臓は高鳴り、鼓動が速くなる。身体中の血が集まっていくのを感じる。駆け足で風呂を上がるか?


「それに豊和のファーストキスは私だよ…」


「…えっ?」


「…中1の時、豊和に助けて貰って暫く経った頃、幸子と豊和と私で私の部屋で勉強会したの覚えてる?」


「ああ、覚えてるよ」


「幸子は用事で先に帰って豊和は途中で寝ちゃったの…」


「確かその前日徹夜でゲームしてた気がする」


「うん。その日の豊和もそう言ってた…『俺昨日は徹夜だったんだぞ。それなのにマジで今日勉強するの?』って…」


「それで途中で眠ってしまったんだよな?」


「そうだよ。その時…寝てる豊和の唇を私は奪っちゃったの。止められなかったんだ」


「…そう…か」

 反応に困る。まぁ、既に困った状態だが。


「だから…ね。もう止められ無いし止まらない。入口の鍵は掛かってるから…」


─深雪がそう囁いた瞬間不意に身体は後ろに優しく倒され深雪は俺に跨がっていた。


「えっ?…えっ?」


「…豊和の…んっ!」

「!!?」


 なんだよ…これ。深雪の顔が近付くと同時に唇が重なり口内に何か入って来る。大人のキス?ディープキスされてる!?経験した事の無い濃密な甘い時間。


 やがてお互いの唇が離れると銀色に耀くかの様に唾液の糸がひいている。


「…プハッ…はぁはぁ…だから…」


「…消える?」


「そう……。豊和が私を少しでも大事だと思ってくれているのならこのまま私に身を委ねてよ…」



 深雪の事は大事に思っている。中学からの付き合いだし気心は知れている。想いの深さも知った。多分、いや、絶対にここで拒絶してしまうと深雪は消えてしまうと思った。失いたくないと思った。だから俺はこの日…深雪を…深雪の想いを受け入れたんだ。



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