第4話何でいるのさ
少し息苦しさを感じながら俺は目を覚ました。柔らかい何かに顔が挟まれていて良い匂いがする。そこから顔を離すとボタンが外れ露になっているピンクのブラジャーと胸の谷間、少しはだけた可愛い猫さんの寝間着。遥だ。俺はどこぞのラブコメみたいにお約束の展開を経験した様だな?
昨日は遅かったうえに遥を慰め励ましている内にどうやら2人共眠ってしまったみたいだ。ずいぶん1人で苦しんでいたんだろう。
そう思うとやるせなくなり無意識的に遥の髪に触れ、プニッと弾力がある頬に触れ、目元に付いている涙の跡を優しくなぞる………。
(……馬鹿か、俺は!何で触れているんだよ)
──慌てて右手を戻そうとするとその手を掴まれる。
「ごめん、起こしてしまったか?」
「えへへ…起きてたよ」
「どの辺りから?」
「う~んと私の胸から顔を離した所かな♡」
「最初からかよ。あ~、ホントにごめん。勝手に女の子の髪に触れ、頬に迄触れてしまって…」
「…ううん、私は嬉しかったよ。女の子はね…好きな人には触れて貰いたいモノなんだよ/////」
「あ~…」
「そ・れ・と・…」
「?」
チュッ♡
「…隙あり…だね?」
「ぁ…」
「さぁ、そろそろ起きようかな」
「遥っ…」
「ごめんね。私勝手にキスして…でもキスしたかったから…豊和君と…」
「…悪いな。中々返事が出来ない優柔不断な不埒モノで…」
「ゆっくりでいいんだよ。私を含めて皆豊和君の事は分かってるから!さてと、それじゃあ私はそろそろ行くね。ありがとう豊和君。大好きだよ♡」
「お兄ちゃん。私も大好きだからね♡」
─後ろからそんな声がする。
「はぁ~、何でいるのさ、渚?」
「ん~とね、夜這い?」
「馬鹿!何が夜這いだよ、全く」
「だって折角親公認なんだから孕みたいじゃん♡」
「孕ませる訳ないだろーが!の前に絶対そういう事しないからな!」
「も~お兄ちゃんのい・け・ず♡」
「えへへ…兄妹のやり取りは見ててほのぼのするね」
「普通の兄妹はこんなやり取りしないからな遥…」
いつの間にか潜り込んでいた渚に戦慄しつつも遥の心は必ず救うと心に決めた俺だった。
追伸。この部屋に鍵を取り付ける事を決めました。貞操の危機が迫ってる気がするので。まさか…茜先輩迄どこかに潜んでいないだろうな?不安だな…。
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