第21話豪華な食事

「さぁさぁ、松山様。しっかりお食事なさって下さい!幸子様や深雪様もどうぞご一緒に召し上がって下さいまし!」


「「あ、ありがとうございます」」

「ど、どうもありがとうございます、愛美先輩。しかしこの量はなんというか豪華で凄いですね?」


 昼休みが始まると同時にこの教室に御付きの女子生徒と共に愛美先輩がやって来た。豪華なお弁当を持って。御付きの女性はテキパキと素早い動きで重箱を次々と広げ準備している。


 御付きの黒髪ショートの女性は竜胆茜りんどうあかね。愛美先輩と同じクラス。ゲームしている時から思っていたけどこの人は凄い。何が凄いかってその動き、頭脳、外見、内面等どれをとってもハイスペック。サブヒロインキャラで人気もある。そんな彼女が俺の目の前にいる。感無量になるのは当然の事だろう。


「あの~豊和殿。そんなに見詰められると照れるでゴザルよ♡」


 生ゴザル来た───────ぁ!!って…


「痛い、イタタタタタタッ…」

「松山様。私が居るのに茜に見惚れるのもどうかと思いますわ」

「豊ちゃん後で話があるから!」

「豊和ったらまた女性を引っ掛けるつもりな訳?また増やすつもりなの?」


 痛いっ!痛いっ!愛美先輩も幸子もそんなに腕をつねらないで!地味に痛いから!


「豊和殿。お嬢様が居ない時は拙者が代わりに相手するでゴザルよ!」


「何を言ってんだ───────!!この先輩はぁー!これ以上悩みが増えてたまるかぁ────────────────!!!」


「まぁまぁ、豊和殿、落ち着いて下さいでゴザルよ」


「…先輩のせいですからね!」


「コホン。とにかくお食事に致しましょう。さぁ、皆様頂きましょう」


「「「いただきます!!!」」」


「どうぞでゴザルよ!拙者張り切って作って来たでゴザルよ!」


 へ~、やっぱり茜先輩の手作りか。


あむっ!もぐもぐもぐ…ゴックン…!?


「うまっ!」

「美味しい!」

「ホント美味しい!」

「…また腕をあげたわね。茜」

「お褒めいただき光栄でゴザルよ。料理は愛情でゴザルよ、ねっ…豊和殿♡」


「…俺に聞かないで下さい」


「う~ん。もしかして茜先輩も豊和の事好きなんですか?」

「あっ、それ私も気になるぅー」

「あっ、茜も勿論松山様をお慕いしてるみたいですわ」

「その通りでゴザルよ♡」


「ええ─────────────っ!!」


「豊ちゃん、うるさい!」

「豊和うるさい!」

「松山様少しうるさいですわ」


「ぐっ…」


「拙者の事は妾で良いでゴザルよ!お嬢様の次、もしくはお嬢様と一緒にベッドの上で可愛がって貰えれば十分でゴザル♡」


「真っ昼間から何言ってんだあんたは!?」


「諦めて下さいませ、松山様。茜は昔からこんな感じですので…」


「「茜先輩って大胆ね…」」


「いや、お前等、もう少し突っ込めよ!」


「気にするなの精神でゴザルよ!」


「アンタが言うな!」


「テヘッ!でゴザル♡」


「まぁ、茜は放っておいて引き続きお食事を頂きましょう皆様!」


「お嬢様、酷いでゴザルよ、ヨヨヨ…」


 茜先輩ってこんなキャラだったっけ?下ネタいっぱい言うキャラでは無かったよな?なんでこうゲームと違う事ばかり起きるんだか…呪われてるのか俺っ?そんな事を考えながら食事を頂く。料理はホントにうまい!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る