第34話怒っています

 自室の前で深呼吸。ドアを開けると部屋の明かりは先程と同じ様に消えている。でも部屋の天井には星が輝いている。自室をプラネタリウムに出来る機械が点いているからだ。シチュエーションに拘るのはアイツらしいと思いつつもベットへと向かい、ベットに腰掛ける。


「あ~、テストの時はありがとうな。お互い恥ずかしい中、それでもしっかりちゃんとリードしてくれて…それに、俺はすっかり見惚れてたよ深雪に…」


ガバッ─!


「待ちなさい!」


「……はっ?」


「お姉ちゃんは怒ってます!折角こんな良いシチュエーションなのに女の子の名前を間違えるなんて!私は深雪ちゃんじゃ無いんだから!」


 被っていた布団を勢いよく捲りベットの上に仁王立ちしているのはキャロル姉さん…。因みに裸だ。俺はすかさず立ち上がり無言で姉にアイアンクローを見舞う!


「痛っ、イタタタタタッ!お姉ちゃんに何するの!」


「ここで何してる…馬鹿姉貴?」


「キャロルって呼びなさいと言っ…イタタタタタッ」


「先日の件…忘れたのか?」


「痛い、痛いから取り敢えず離して?痛いのは初めてだけで充分…イタタタタタッ…」


「離すけど余計な事は言わない様に、分かった姉貴?」


アイアンクローをといてやる。


「うぅぅ…酷い目にあった…酷いよ豊和?優しくして欲しかったのにこんなに激しく…」


「もう一度喰らいたい様だな、姉貴?」


「ひっ…お、お姉ちゃんが悪かったから!ねっ?ねっ?だから構えるのは止めよう?」


「…で?」


「…で?って?」


「何故姉貴がここに居る?それにいつ帰って来た?」


「緊急放送があったでしょっ?あの後直ぐお母さんから連絡があって…」


「はぁ…母さんか…」


「それにしてもズルいよ!お姉ちゃんが一番にヤリたかったのに!」

「まず姉貴は先日の件を謝ろうな?」

「プン!お姉ちゃんは悪く無いもん」

「もんじゃないの!」

「豊和が悪いの!私はいつでも本気で豊和のモノになりたいのにぃぃー!」

「…姉貴も俺でいいわけ?直弘だって、他の男性だって…「豊和がいいの!」…後悔しない?」

「するわけないでしょっ!お姉ちゃんの重い愛をちゃんと受け取りなさい!」


「ぷっ…重い愛って、自分で言うの?」


「そりゃあ、そうでしょっ!隙あらば監禁したくなるし…」


「それは断わるけど!とにかく姉貴の想いは伝わったよ」


「じゃ、じゃあ、早速ヤッていい?(ジュル~)」


「ヤル前提かよ(汗)」


「当たり前でしょっ!」


「何言ってんのコイツみたいな目は止めてくれ!」


「と、とにかく頂くね!」

「…お手柔らかに」

「無理♡」



 そしてこの日4人目と結ばれる。4人目はキャロル姉さん。正直に言うと深雪だと思ってたんだけど…深雪はどうしたんだ?姉さんとの情事を終えた後、俺は深雪の事が凄く気になっていた。

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