第18話学校終わりに

 テストがあった事もあり今日は昼迄で学校の授業は終わった。男性の体を考えての事らしい。すれ違う女子の視線は俺の股間にしか目がいかないので正直早く帰れるのは助かる。帰る準備を済ませた俺は男性警護官の2人が来るのを待つ。直弘は先に麻季と帰って行った。テストで火が点いたのだろう。これから恋人同士の甘い時間って訳だ。


「松山君?」


「どうしました先生?」


「なんでも暫く教室での男性警護官が来るのを待って居て欲しいそうだ」


「代わり?」


「ああ、双子の警護官は余りにも映像が刺激的過ぎたらしく鼻血で出血多量に至ってしまったそうだ。現在病院で緊急治療室に入り治療を受けてるらしい…」


「はっ?」


「まぁ、仕方無いだろう…他にも運ばれた教師や生徒もいる位だから…」


(男性への耐性低すぎだろう!一応勉強しているんじゃないのかよっ!)


「まぁ、そんな訳だからそのまま残っていてくれ!」


「取り敢えず分かりました。って事だから…深雪も幸子も先に帰っててくれるか?それにまだ恥ずかしいしな…」

「あっ…うん…そうだね/////」

「う…うん、分かったよ豊ちゃん」


「幸子…お前迄俺の股間を凝視するのは止めてくれ…」

「うにゃ!わ、わわだじ見てにゃいから!」

「あっ!待って幸子!そんなに走ったら危ないからっ!ご、ゴメン、先に帰ってるね豊和?」

「ああ、気を付けてな」

「うん…豊和…も」


 遥と唯も今日は顔をまともに見れないからと言って先に帰って行った。やがて教室は俺1人になる。


「はぁ~しょうがないか。代わりの警護官の人が来たらリトルシスターズの見舞いに行くとするか。いつも世話になってるしな」


暫くぼ~っとしていると、


「お~ここでゴザルかな?」

「多分そうしょっ?あっ…ほらっ…あそこ~」


そんな声が聞こえて来たので声のする方に視線を向けると女性が2人。1人は忍者の格好をしている。くノ一のコスプレか?、と口に出そうになったのはここだけの話だ。背には刀らしきものを背負っているのが分かる。


そしてもう1人はいかにもギャルという格好をしている。よく見るとガムを噛んでいて風船の様に膨らませている。この2人が代わりの護衛官の人?


「お主が豊和殿でゴザルか?」

(男…男…平常心平常心でゴザルよ(汗))

「間違い無いっしょっ!男だし~!」

(ふぁ────!男!?本物の男ぉ!こりゃたまげるぅー!マジやばっ!)


「豊和は俺です。え~と2人が代わりの護衛官の人で間違い無いですか?」


「そうでござる!拙者竜胆茜と申すでゴザル。以後宜しくでゴザル!」


「あ~しは真実愛っし。末長く宜しくぴょっ~!」


「宜しくお願いします!」

(これまた個性的な2人が来たもんだ…)


「敬語は不要でゴザル」

「そ~そ~!気軽に話掛けるとい~し!」

「うん。分かったよ!取り敢えず今日はこれから病院に向かいたいんだ。入院している警護官のお見舞いに行きたいから警護宜しくね?」


「承ったでゴザル!」

「あ~しも了解っしょっ!」


こうして俺は病院へと向かう事に。あの2人緊急治療室って…大丈夫なんだろうか?心配だ。

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