第19話病院への道すがら
「じゃあ竜胆さんは1つ上で真実さんは同じ歳なんだね」
「気軽に茜で良いでゴザルよ!」
「あ~しも愛って呼ぶっし!」
「了解。それで、2人共警護官してるけど高校生なんだよね?」
病院への道すがら自己紹介がてら他愛もない話をする。どうやら2人は警護官になる為に一生懸命勉強して高校は飛び級して卒業。かなり優秀な2人みたいだ。話を聞いていると警護官にもランクがあり2人は一番上のランクのSランク。意外だったのがリトルシスターズの2人もSランクとの事。そんな風に話をしていると病院が見えて来た。
「おい…お前男だよな?」
「私達と良い事しようぜ?」
「久しぶりの男だ!たっぷり可愛いがってやるからさぁ」
おっふ。この世界で初めてこんな事言われたな。まぁ、今迄あんまり歩いて外出というと殆ど無かったしな…。それにしてもこの女性3人は男性を過去にも襲ったのか?久しぶりとか言ってるし…。
「…消えるでゴザルよそなた達!」
「そ~そ~!あ~し達男性警護官し。オバサンは引っ込んでろし!」
「誰がオバサンだぁ!私達はまだ二十代だよ!」
「くっ…コイツら警護官か…」
「警護官ばかり優遇されやがって…ペッ!」
「警護官だからって私達より強いと思わない事だね!」
「コイツらやってやる!やってやるぞ!」
「はぁ~しょうがないっしょっ?」
「まだこういう
「あ~しがヤルし!」
「御意でゴザル!豊和殿は任せるでゴザルよ!」
「了!一瞬で終らせてやるし!」
愛はそう言うと両手にヨーヨー?を取り出し回しながら3人の方へと駆け出した。ヨーヨーなんかで勝てるのかと思っていたのだが要らぬ心配だった。ヨーヨーの1つを相手に放つと『メキョッ!』と、嫌な音と共に1人の女性の額にヒット。女性は崩れ落ちる。あのヨーヨー鉄製なのか?
そんな風に思っているといつの間に放っていたのか分からなかったがもう1つのヨーヨーは残りの2人を纏めてグルグル巻きにして捕縛。ホントに一瞬だった。
「凄っ…」
「そ、そんな事ね~し。あ~し達からしたら普通だし、みたいな~…」
「それヨーヨーなの?糸もかなり伸びてたけど…」
「特殊な鉄と伸縮自在の糸で出来たヨーヨーっしょっ!ここに警護官の紋章も入ってるし…」
「お~、ホントだ…。昔のドラマで見たヨーヨーみたい。警察のマークみたいだな…」
「ちょっ…ち…近っ/////」
「あ~ゴメン!つい見惚れてしまって…」
「び…ビックリしただけだし…」
(結構まつ毛長いし…男性の匂いってこんなに良い匂いなの…みたいな~?って、これじゃあ~あいつ等みたいだし~(汗))
「豊和殿…」
「どうしたんだ?茜先輩?」
「ゴザルーっ!」
「(ビクッ)ど、どうしました、急に大声出されて?」
「ス、スマンでゴザルよ!男性から先輩呼びなんて初めてで奇声が出てしまったでゴザル!」
「そ、そうですか…それで先程は何を言おうとしたんです?」
「そうでござる!愛殿に張り合う訳ではゴザラんが拙者の刀裁きも見て欲しいでゴザル!」
「(張り合う気満々じゃね~か!今すぐ見て欲しいみたいにチラチラこちらの様子を窺っているな。見せて貰った方が良いよな?)じゃ、じゃあ茜先輩の刀裁き見せて貰っても?」
「御意でゴザル!愛殿、愛殿!ここっ!ここにちょっと立って欲しいでゴザル!」
「…なんであ~しが…」
「お願いでゴザルよ~!拙者も、拙者も褒められたいでゴザルぅぅぅ!」
「わ~たわ~た!立つから!立ってれば良いっしょっ!だからそんなに近付くなし!」
「感謝するでゴザル!」
「はぁ~ここに立ってれば良いっしょっ?」
「気を付けでお願いするでゴザルよ!」
「わ~たわ~た!(なんであ~しが…)」
「行くでゴザル!豊和殿ここでしっかり愛殿を見ていて下されでゴザル!」
俺は愛の正面に立たされた。
「分かった!」
(それにしても茜先輩、刀裁きって何をするんだろうな?愛しか見えないのにそれで良いのか茜先輩は?それに愛の正面に立っていると愛が少しモジモジしてるが大丈夫なのか?)
「それでは行くでゴザル!『
スッ~と風が愛と俺の2人の間を抜けた…そんな感覚と共に愛が口を開いた。
「はっ!?そういえばアンタ何を見せるつもっしょっ?」
「それ俺も気になって………はぁ──!?」
「んっ?どうしたし、豊和っち?急に大声で…」
「詰まらぬ物を斬り捨て……ゴメンでゴザル…!」
「…む、胸……」
「?………胸?はは~ん!豊和っちもしかしてあ~しの胸に欲情したし?あ~しこれでもDカップあるし♡」
「…そうじゃない…胸が 、胸が丸見えなんだけど…」
「へっ!?」
愛が自分の胸に視線を落とすと漸く現状に気が付いた。上半身が裸ということに…。先程一瞬で着ていた服が消え去り立派な形の良い胸が露になっている。褐色肌に咲く綺麗なピンク色の花…。これは暫く脳内フォルダーに保管だなと俺は心の中で思う。俺だって男だから♡
「きゃ───────っ!あっ…あっ…見るな見るなし!あ~か~ね~!!てめえ~あ~しの服をっ!何が詰まらぬ物し!!どうしてくるっしょ!!!」
「うむ。形の良いおっぱいで御座って良かったでゴザルよよよ…」
「待つし!逃げんなし!」
─頼むから胸丸出しでヨーヨー振り回しながら俺の前もうろちょろしないでくれ。胸バルンバルン揺れてるから…。仕方無いのでブレザーを脱ぎ愛に後ろから羽織ってやる。
「…あ…ありがとうっしょっ/////」
「良かったでゴザルな!男性の着ている服をあまつさえ着せて貰えるでゴザルとは…」
「アンタは殺すし…絶対…」
病院は見えているのに騒がし事になってしまった。取り敢えずちょっかいを掛けて来た3人は愛達に連絡を受けた警察にしょっぴかれて行った。どうやら余罪も追及される様だ。その後、漸く病院へ。さてさて、後ろでは今も軽く愛と茜先輩の2人はいがみ合ってるがリトルシスターズは大丈夫だろうか?見舞いは何も無く終ると良いけど…。
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