第19話親友
1限目が終わり休み時間。トイレでバッタリ親友と顔を会わせた。
「よぉ、豊和。朝から生徒指導室に連れて行かれたみたいで大変だったな」
「何でお前がそれを知ってるんだよ?」
「そりゃあ、噂になってるし親友の事は把握してるぞ俺は!面白いし…」
「面白いってなんだよ、面白いって」
「昨日はこの高校でもトップの美少女達に言い寄られて、今日も今日とて美少女に囲まれあたふたしてる親友を見てて面白いだけですが何か?」
「くっ!コイツ他人事だと思い好き勝手言いやがる!」
俺の前でニヤニヤしながら俺をからかうのは小学校からの付き合いがある親友の
「大体豊和が今迄、仁田野と波多野の気持ちにも気付かない方がおかしかったんだよ!」
「えっ!?マジで?」
「お前の頭がマジか?だよ!あれだけ2人から好き好きオーラが出てるのに逆に何で気付かない?お前の脳は腐ってるんじゃないか?お前大丈夫か?」
「…親友の癖に言う事が酷いな?」
「事実だからな!」
「…そうかい。ただ何で俺なんだろうな?」
「馬鹿だな豊和は。お前だからだよ!それに人を好きになるのにそんなに理屈があると思うのか?俺は理屈じゃなく本能だと思うぜ」
「………なるほどな」
「まぁ、ゆっくり考えれば良いんじゃね?どこぞの小説やアニメみたいにハーレムでも作ってみるか?カッカッカッ!」
「いや、それは駄目だろ」
「ん~、何で駄目なんだ?」
「えっ?直弘、お前何を…」
「さっきも言った通りさ。あれだけお前の事を好きな
「分かった。お前の彼女の
「うぉ─────い!馬鹿か?馬鹿なのか?馬鹿だったな豊和は!麻季にそんな事言ってみろ!殺されるぞ…俺が…」
「一回死んで来い!」
「…豊和よ。そんな事を言っても本当に…本当に良いんだな?(ニヤッ)」
「何がだよ?(何だ…この笑みは?)」
「お前が麻季にどうしても言うのなら俺も考えがあると言っている!」
「ほ~!お前のその考えとやらを言ってみろよ!直弘、言って置くが悪いがお前の負けだぞ!」
「…お前の部屋の本棚。一番上の棚の左から三番目の参考書(ニヤリッ!)」
「…それがどうした?」
「ほ~!あくまでシラを切る気か?良いだろう。幼馴染みモノの薄い本、幼馴染みの友達モノの薄い本と言えば分かる筈だが?まるであの2人の様だな?」
「…何故貴様がそれを知っている?」
「クックックッ。こんな時の為にお前の家に遊びに行った時、物色して調べておいたのだ。良いんだな?仁田野と波多野に全てを打ち明けて…」
「直弘よ。だから貴様は阿呆なのだ」
「な、んだと…」
「直弘のベッドと壁の隙間。それから本棚に俺と同じくカモフラージュしている薄い本が5冊。まだまだ俺は知ってるいるぞ。それを麻季に言っても良いんだな?」
「スンマセンでした───────!!!」
「直弘よ。良い事を教えてやる。撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ!」
「そう…だ…ったの…か…」
「面白い話をしているみたいね?直弘、それに豊和君」
「「麻季ぃ!!??」」
「豊和君。直弘が隠しているエロ本の事を詳しく教えてくれるかな?」
「馬鹿な。麻季、ここは男子トイレだぞ!」
「だから何?」
「いゃ、そのな麻季。豊和が言ったのは冗談で…って豊和!俺を置いて一人で逃げるんじゃねぇーよ!」
「あっ、馬鹿!直弘!俺を巻き込むんじゃねえ────!」
「あっ、豊和君。トイレの前に幸子と深雪が待ってるから行ってあげてね!さっき言ってた豊和君の持ってるエロ本の事を聞かせて欲しいみたいだよ!」
「…馬鹿…な。進むも地獄、戻るも地獄とは…」
「クックックッ、豊和。お前も終わったな」
「直弘。今日はあんたの部屋にあるエロ本全てゴミに出すからね!」
「そんな殺生なぁ─────────!」
俺はこの後、幸子と深雪から例のエロ本について問い詰められる事となった。そしてタイトル迄言わされた挙げ句、2人から少し照れながら嬉しそうにその本って私達を意識して買ったの?と言われた俺は何と答えれば良いのか誰か教えて欲しい…。
切に願う………!
それにしても男子にはプライバシー等存在しないのだろうか?誰か教えて欲しい…
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