第37話愛美先輩と遊園地

「わたくし…実は遊園地も初めてで…」

「そうなんですか?じゃあ…今日はいっぱい楽しまないとですね?」

「はい!」

「まずは定番のコーヒーカップから行きましょうか」

「はい」


恐る恐るコーヒーカップに乗り込む愛美先輩。小動物みたいな可愛いさがある。俺が微笑ましく見ていると…


「ど、どうして笑われているのですか?」

「愛美先輩が小動物みたいにプルプルしてるので可愛くて…」

「も、もぅ//////そんな事を言うのは…キャッ…」

「先輩回り始めましたよ?」

「こ、これがコーヒーカップ。速度はゆっくりですが面白いですわ…」


もう1つのカップには茜先輩と愛が乗っているみたいだ。


「どうしてあ~しは茜と乗ってるし?」

「それは愛美殿が豊和殿とデートだからでゴザルよ」

「あ~しも豊和っちと乗るっし!」

「今日は無理でゴザルよ?」

「いつかって事っしょっ?」

「分かっているなら良いでゴザル…」



そうこうしていると回っていた機械が止まる。


「面白かったですわ…」

「遊園地はまだまだこれからですよ先輩?」

「はい!」




******


「これは何のアトラクションですか?」

「もうすぐ分かりますよ?」

「何だかドキドキしてしまいます…」

「先輩そろそろ時間みたいです。一気に俺達は高い所に何度も行ったり来たりしますよ?」


Piー!ギューン!


「…えっ?……キャアアァァ───!」

─地上から一気に四十メートルの高さへと上がる。これは怖いけどスリルがあるな…。先輩は悲鳴あげてるし…。




「あ~しは乗る意味あるし?」

「待つだけより一緒に乗る方が良いでゴザル?」

「そうだけどこれ何のアトラクションし?」

「今に分かるでゴザル…」


3…2…1…ギューン!


「キャッ……キャアアァァ!!!高い所は…あ~し…あ~し……(ガクッ)」

「愛殿?愛殿?…気絶したでゴザル…」




******


「あれは、怖かったですわ…」

「次も絶叫系ですよ?」

「…えっ?」

「ジェットコースターです」


長い坂道を機械がゆっくり登って行く…


「成る程ですわ。噂では聞いた事あります。スピードが速く、一回転するのですよね?」

「チッチッチッ!先輩…惜しいです」

「違いましたか!?」

「五回転します(笑)」

「…えっ?」

「さぁ、ここから一気に加速ぅぅ~」

「キャアー…」




「さっきは意識…無くなったし…」

「ジェットコースターは大丈夫でゴザルか?」

「余裕しょっ…一回転位…」

「五回転でゴザル…」

「…マジ?」

「マジでゴザル」

「無理無理無理無理無理!下りるし~!」

「今更下りれる訳無いでゴザル」

「……(カクン)」

「んっ?愛殿?やれやれでまたでゴザル…」





******


「絶叫系って怖いですわ…」


「少し休憩しましょう」


「はい」


愛美先輩をベンチに座らせ俺は定番の事をするため為売店へ。買い物を終えると愛美先輩の元へと戻る。


「はい、どうぞ!」


飲み物を渡す。お金を取り出そうとするのでそれを静止。


「これも俺の中では定番なんですよ?」


「男性に奢って戴くなんて…何か申し訳無いですわ…」


「飲み物位は気にしないで下さい。それに遊園地に来たのも、実際にこんな事したのも愛美先輩が初めてなんですよ?」


「…それは嬉しいですわ/////」


─スッ…そんな俺達の前に影が2つ。


「豊和殿、愛美殿…いつでも逃げれる準備をするでゴザル」

「「えっ?」」

(逃げれる準備??)

「…囲まれたし」


「愛美…」

20人位の女性達。そしてそんな中に1人体格が非常に良い男性の姿。俺より年上に見える。


「ここは貸し切りにしていた筈ですよ…北条様?」


この男性を愛美先輩は知ってるのか?何か少しモヤッとする…。何だろうな…。







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