第36話お誘い
「駄目ぇ…とよか…ず…激し…あっ…」
「深雪」
「わた…し…もぅ…」
─ヤバイな。深雪と過ごした時間が濃密過ぎて直ぐに思い返してしまう。昨日は恋人休暇をとり1日中深雪とイチャイチャしていたのだが今日は学校だ。深雪はというと、
「豊和…私、今日迄学校休むね?豊和が激しすぎて足腰立たないから/////豊和はしっかり学校へ行かないと駄目だよ」
というわけで、深雪は休み。すまない深雪…どうやら俺は底無しだったみたいだな…。そんな訳で元気な俺は学校へ行く準備を自宅に戻り進める。戻った俺の顔を見て母さんから「夕べどころかほぼ丸2日お楽しみでしたね?」と言われるとはみじんも思っていなかった。姉は姉で「…またするからね?」、妹からも「お兄ちゃんまたしようね?」と約束させられたのはご愛嬌という事にしておく。
朝からそんなこんなしていると男性警護官の茜先輩と愛が到着。家を出て俺は学校へと向かう。…筈だった。家を出た所でリムジンが俺の前に止まったのだ。茜先輩と愛が俺を護る様に一歩前へ。
「下がるし…」
「念の為後ろにでゴザル」
でもリムジンから出てきたのは愛美先輩だった。
「おはようございます松山様」
「おはようございます愛美先輩。どうしたんです?」
「はい…松山様にお願いが御座いまして…」
「俺に出来る事なら…」
(何かあったのかな?俺に出来る事ならいいけど…)
「本当ですか?」
愛美先輩が距離を詰めてきて俺の手を両手で握る。あれっ?愛美先輩ってこんな感じだったかな…?いくら告白されたからといっても距離感が異様に近い様な…。戸惑いながらも一応了承する事に。
「は、はい」
「でしたら…松山様のお時間を今日はわたくしに下さいませんか?」
「…分かりました」
(まぁ、それ位なら良いか…)
「では松山様のお時間を頂きます。どうぞお乗り下さいまし。護衛官の方もどうぞ一緒にお乗り下さいませ」
「了解でゴザル」
「了」
リムジンに乗り何処かに向かう。結局学校は今日も休む事に。でも男性と出掛けるという事でこういう時も恋人休暇が使えるらしいのには驚いた。もっと驚いたのは俺の横に座る愛美先輩の行動。恥ずかしそうにしながらも手を握ってくる。しかも俗に言う恋人繋ぎだ。向かいに座る茜先輩と愛は羨ましそうに俺達を見ている気がするが俺の勘違いだよな?とにかくそんな感じで雑談しながら一時間位車で走るとようやく愛美先輩の目的の場所に着いたみたいだ。車を降りて辺りを見渡すと遊園地だった。
「本日は貸し切りにしておりますの」
「マジ…か…」
「凄いっしょっ…」
「流石、愛美殿でゴザルな…」
「松山様の小説に出てくる様にわたくしは、遊園地デートをしたいと思っておりましたの/////」
「…あ~、愛美先輩もこの間の放送見てたんだな?」
「それは国民の務めですので…」
「そう言えばそうだったし…豊和っちがあの本の作者だったし…あ~しも何度も見たし」
「あれは良いものでゴザルよ」
「何かこっ恥ずかしいな…」
「照れる事は御座いませんですわ!あれこそ世の中の女性の憧れが詰まった伝説の本ですわ!バイブルですわ!」
「確かにでゴザル」
「あ~しもそう思うし…」
「…コホン。わたくしとしたことが少し熱く語り過ぎましたけど、松山様とわたくしはああいう風に過ごしたいのです。ああいう風に恋を育んでいきたいのです。どうかわたくしの願いを聞き入れて貰えませんか?」
愛美先輩がそんな風に思ってくれてるとは。なら俺の答えは1つしかないよな?
「勿論、喜んで」
そして…愛美先輩の手を取り遊園地の中へと向かった。
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