第55話祭さん…

「今日こそ…私と種付けしてくれる?」

「…する訳無いでしょ?」


通学して最初の一言がこれである…。


「おはよう松山君…」

「おはようございます祭さん。普通挨拶が先ですけどね?」

「しょうがないでしょ…全く相手にしてくれないのだから…」

「距離の詰めかた間違いですからね?」

「そうかしら…。まぁ…そしたら先っちょ…「しませんし、言わせませんよ?」…残念残念…。クスッ…」


「祭さんは…」

「何でしょう?」

「俺の事どう思ってるんです?」

「…そうね…最高の男と思ってる。それこそ今から種付けして欲しい位ね…」

「そこに愛はあるのかい?」

「ア○フル?」

「…良く知ってましたね?」

「そりゃあそれくらい…」

「もう少し突っ込んで欲しかったんですけど…」

「そんな性格じゃないから、私」

「取り敢えず…一度出掛けてみますか、俺と?」

「ホントに!!!」

「はい…」

「いつ?」

「え~と…いつでもいいですよ?」

「…今から休み貰って来る…」

「今から!?あ~、まぁ、はい、分かりました…」


こうして祭さんと出掛ける事になった。行き先はホテルと言うので即却下…。ゲームセンターへと向かった…。


「…初めて来たけど音がうるさいわね?」


「色んなゲームありますからね…」


「そうみたいね…これは何?」

「それは下で回ってる景品を掬って穴に落とすゲームですね、してみますか?」

「…うん」




******


「こっちは?」


「これはあのアームでぬいぐるみ等の景品を掴むゲームですね…」


「こっちは?」


「メダルで遊ぶゲームです」


「こっちは?」


「ハサミを動かして景品に付いてる紐を切るゲームですね…」


「こっちはこっちは…」



******



ゲームセンターで色々なゲームをした…。祭さんも楽しんでくれたみたいだ…。


「あ~楽しかった…」

「それは何より…」

「あなたに心から寄って来る女性の気持ちが少し分かった気がするわ」

「そうですか?」

「…ええ」

「祭さん…もしよかったら…」

「吹雪よ?」

「吹雪さんさえ良ければゆっくりといきませんか?」

「考えておく…」

「はい」



少しは変わるかもね…。種付け種付け、それに縛られても虚しいだけだよね?どうせなら心から繋がりあいたいしね…。




******


吹雪さんとデートした翌日…。


「おはよー松山君」


「おはようございます祭さん」


「じゃあ…早速種付けしに行きましょうか?」


「…昨日の話聞いてました?」


「勿論聞いてたわよ?ただ…それとこれとは別でしょ?日課だしね…」

「変な日課止めましょうね?」


まぁ、こんな風に少しだけ吹雪さんとの距離が近付いた気がした…。

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