第56話直弘に連れられ

「どこに行くんだ直弘?」


「いいからいいから!黙って俺に付いてこい!」


「ったく行き先位教えろって~の!」


「いやだっちゅ~の!」


「それ坊主頭の男がしても虚しいだけだろーよ?」


「…恥ずかしいからもう少し話を合わせてくれよな?」

「いやだよ、滑るのは直弘の得意技だろ?」

「ちげーよ!」


 町中から少し外れた神社の階段を登っていく。こんな所に神社なんてあったのか…。神社の階段を登り一度お参りをする。神社に来たんだから当然だよな…。


「ほっほっほっ…よ~礼儀を知っておったのぅ…」


どこかのお爺さんが話し掛けてきた。


「…爺様…約束通り来たよ?」


「こんにちは…直弘の知り合いなのか?」


「ああ…。物凄く世話になったんだ」

「な~に、大した事しとらんよ…。ただの老いぼれじゃて…」

「ここにはよく来られるんですか?」


「そうじゃのぅ…家みたいなモノだしの」


「そうなんですね…」


「たまには若いもんと話をしたくての…。少し老いぼれに付き合ってくれるかのぅ?」


「「勿論です…」」


それから不思議な感じがするお爺さんと話をした…。話やすいと言えばいいのだろうか?気が付けばかなり遅くまで話し込んでいた。ちょっとした事から彼女というか婚約者もいっぱいいる事まで…。


「2人共モテる様で何よりじゃわい…」


「俺は麻季1人で良かったんですけどね?」

「なんだかんだで直弘は俺より女性がいるもんな?」

「それな」

「本当に幸せそうで良かったわい…そろそろ暗くなるのぅ…。また時間があったらいつでもここに遊びに来て話を聞かせておくれ」


「「はい」」


「豊和君じゃったのぅ…」


「はい…どうかしました?」


「今…幸せかのぉ?」


「そうですね…それは自信を持って幸せと言えますよ?」

「なら…儂がやった事も無駄ではなかったの…」


「?」


「はい、感謝してます!」


「直弘君もしっかりと…の?」


「はい、勿論です…」


「「また来ますね!」」

「また…の」



帰り際振り返るとお爺さんの姿はなかった。本当に不思議なお爺さんだった…。


「なぁ…豊和…」

「何?どうかしたか?」

「たまにここに来て話してくれないか?あのお爺さんと…」

「なんだかよく分からないけど良いよ。話やすかったし…」

「ありがとうな」

「お礼なんていらないよ?」


そんな風に不思議なお爺さんと会った1日だった…。また話をしに来ないといけないあと思いつつ神社を後にした…。




******


あとがき!

いつもお読み頂きありがとうございます。現在新作を連載しております!転生?したら男女逆転世界というお話です!是非一度よんで貰えたらと思います!加えておもしろければ作品のフォロー、応援、そして星の評価何卒宜しくお願いします❗️


美鈴でした!

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