第14話ここを出ようか?

 怠さが残る体を起こし時間を見ると時刻はまだ朝の4時。隣を見ると可愛い寝顔で眠る深雪。少し捲れた掛布団から見えるのは深雪の透き通る様な白い肌。どうやら身体を重ね合った後そのまま眠ってしまったらしい。


 愛おしくて暫く寝顔を眺めていると、眠気眼ねむけまなこで深雪が身体をモゾモゾと寄せて来る。


「…起こしちゃったか?」


「ううん。大丈夫…起きて豊和が横に居たからくっつきたかっただけ♡」


「俺の彼女可愛いすぎんか?」


「エヘヘ、豊和が私にメロメロになっている」


「そりゃそうなるだろ?付き合ってるんだし」


「うん♡」


「深雪の事大切にするから…」

「分かってるよ」


─どちらからともなく唇を重ねる。


「チュッ♡…んっ!チュッ♡」


「…深雪の唇艶っぽくて凄く柔らかいな」


「ちゃんとリップ着けてるだけだよ。それより豊和の硬いのが当たってるんだけど…♡」


「生理現象だから…」


「…今から…する?」


 こんな事言われたら燃えない男は居ないよなぁー!って、事でまたもやこんな時間から燃えちゃいました。テヘペロ!



******


 事を終えた俺達はお風呂に向かう。お風呂はいつでも入れるってホントに凄い!身体を洗いながら笑顔でいっぱい出したねとか豊和のが溢れて来たは止めてくれ。また深雪が欲しくなり欲情してしまうから…。


 ─深雪の部屋へと戻ると朝の6時前。多分もうすぐ皆が起きて来る頃だろう。


「なぁ、深雪」


「どうしたの豊和?またしたくなったの?」


「違うから…そんなにケダモノじゃ無いから!…違うよね?」


「は…激しかったと思うし、こんなに愛されるとは私思って無かった…よ?」


「ぐはっ!…深雪が可愛いすぎる。でもそんなに求めてたか?」


「多分♡」


「まぁ、その事は一応置いておこう!」


「ふふっ…豊和らしい。それで?」


「あ~、俺達付き合ってるじゃん?」


「そうだね!」


「ここに住んで2日かな?」

「うん」


「…ここを出て2人で暮らそうか?」


「…えっ?」


「ほら、俺達付き合い始めたんだし、他の子の思いには悪いけど応える事出来なくなっただろ?だから…さ」


「豊和…嬉しいよ。嬉しいんだけど…」


「うん?」


「それは駄目だよ!」


「…えっ?」



俺は深雪が言った事を理解出来なかった…。


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