第14話3人目のサブヒロイン

「お久し振りでゴザルな、愛殿?」


「…うん…久しぶり茜っち。茜っちがここに居るって事はもう何人かは豊和っちの元に集まってるって事っしょっ?」


「愛殿の言う通りでゴザルよ」


「茜先輩。もしかしてこの女性ってサブヒロインの?」


「…事情とか全て知ってる感じ?」


「愛殿、こちら深雪殿。深雪殿、こちらは深雪殿の言う通りサブヒロインでゴザッた愛殿でゴザル」


「初めまして、波多野深雪です」

「初めましてっしょっ、あ~しは真実愛しんじつあい。深雪っちて呼ぶけど良いっしょっ?歳は豊和っちとタメだから…」

「うん。だったら私も同じ歳だから私は愛って呼ぶね」


「まぁ、軽く自己紹介を終えた所で丁度飲み物を買いに行った豊和殿が戻って来たでゴザルよ」


「悪い皆。ちょっと混んでて…」

「気にしないで豊和」

「そうでゴザルよ。丁度愛殿と深雪殿が自己紹介を終えたでゴザルから」

「そうなの?茜先輩が知ってるみたいだったから任せたけど…」

「豊和殿の言う通り拙者の知り合いでゴザル」

「さっきはホントありがとう豊和っち!」

「どういたしましてって…ああっー!」

「どうかしたでゴザルか?」


「いや…なんでも無いよ!」

(改めてこの子の顔を見て思い出した。なんで直ぐに気付かなかった?この子サブヒロインの真実愛だ。こんな所で出会うなんて…)


「あ~しの顔に何か付いてる?」

 ─ズイッと距離を縮められ彼女の大きな綺麗な瞳には俺が映っている。俺は驚いてしまう。距離が近い。どうしてヒロイン達皆距離感がバグっているのだろう?


「何も付いてないよ。知り合いに似てると思っただけだから…」

 彼女はじっ~と俺を見てそして距離をとり茜先輩の方を見ると茜先輩が、


「取り敢えず皆で帰るでゴザルよ」

「そうしよう」

「あ~しも聞きたい事あるし、そうするっしょっ!」


という事でどうやら彼女も屋敷へと一緒に来るみたいだ。茜先輩も深雪もそれが当然といわんばかりだ。俺が飲み物を買いに行った間に深雪は意気投合したのか?まぁ、茜先輩と元々知り合いだったみたいだし不思議な事ではないよな。でもあの距離感…彼女も俺の事を…な~んてな。そんな事あるわけ無いよな?彼女迄そうならヒロインは全員俺に好意があるように思ってしまったわ!これ以上彼女増やしてどうするんだという話だ。



「あ~しは豊和っちが好き。とにかくあ~しも2から!それとあ~しもここに暮らすから宜しくっしょっ!当たり前っしょっ!」


 屋敷に付いて皆は話があるからっていうわけで俺は自室へ。暫くすると俺を呼びに来たのでリビングへ。皆がいる中で告白を受ける俺。皆祝福している…。何故…だ。フラグを回収してしまったのか?そんな事を考えながら今日も俺は流されていく。

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