第18話相談
渚に着替えを手伝って貰いリビングに向かうとやけに賑やかな声が聞こえてくる。渚にシーッと合図を出す!流石妹、ジェスチャーでしっかり通じている。悪いとは思いながらも耳を澄ませてみる………………。
俺の事じゃねぇかぁ─────────!
俺と深雪のアレの話を深雪が事細かく話してやがる入らなくて正解だったな。とてもあそこに入って行くのは俺には無理だ。渚に先に出ると小声で伝えて俺は家を後にする。直弘に電話を架け待ち合わせ。俺は頼れる親友に話を聞いて貰いたかったんだと思う。
******
──待ち合わせ場所には直弘の姿。
「オッス!豊和朝から電話架けてきて待ち合わせなんて珍しいな?」
「オッス!少し話を聞いて貰いたくてな…」
「何だよ?何でも言えよ」
「昨日な…深雪と付き合う事になったんだけど…」
─────学校へ向かいながら昨日あった事、深雪から言われた事等を直弘に打ち明けた。直弘は黙って俺の話が終わる迄耳を傾け聞いてくれた。本当に良い親友だな。
「…って感じだな」
「…成る程な。波多野はソレを望んでいる訳か…」
「それで悩んでてな…普通じゃないだろ?ソレは…」
「それこそ深雪ちゃんが言った通りなんじゃないか?」
「言った通り?」
「嗚呼!私達で1人と言った様に捉え方と思い方じゃね?だからソレ…、悪い方に捉え方するとハーレムって思ってしまうけどさ、要は自分…お前がソレを普通と思えば良いだろ?」
「……」
「言葉だけじゃ分かんないなら、そうだなぁ、仁田野やお前が助けた真冬先輩が好きな人が出来たと言ってきたらどう思う?」
「幸子や真冬先輩?」
「嗚呼、目の前で他の人とイチャイチャしてたりキスしてたら?」
「………──何かモヤモヤする…」
「それが答えだろ?多分お前は皆にもう惹かれ始めてるんだろ?他人の見解なんて放っておけ!一夫多妻制にもなるんなら問題も無い。後はお前が皆を幸せにしてお前も幸せになる。幸せならそれで良いじゃねぇか!俺も麻季は勿論正妻で他の女性を囲ってみるかな!ハハハ…」
「…ねぇ、直弘。今言った事詳しく聞かせてくれる?」
「げぇ!麻季!?」
「フフフ。私が正妻で何だって?」
「イヤイヤ!ホラ、冗談だし…俺は豊和の話をだな…」
「問答無用!」
「イテェ!そんなにつねるなよな!痛い、痛いから!豊和笑ってないで助けてくれよ~」
「あ~麻季、おはよ~…だな?」
「おはよう、豊和君。それで何か?」
「ほら、直弘も俺の為に話してだな、多分冗談というかノリで言ったんだよ…多分…」
「豊和!そこは言いきろーぜ!」
「はぁ~、しょうがないから許してあげるわ!豊和君に免じてね」
「サンキュー麻季、愛しているぜ!」
「馬鹿…学校も近いのにこんなところで何言ってんのよ」
「照れてる麻季は可愛いな」
「直弘、朝から顔が熱くなるからそれ以上は…」
「可愛い過ぎる麻季が悪い」
「ぁ…♡」
親友がナチュラルにイチャイチャし始めたので気をきかせて2人だけに。ちゃんと学校へ来いよ、2人共?
それにしても先程言われて思ったモヤモヤはそういうことなんだろうな。親友のお陰で自分の気持ちに気付けそうだよ。また今度直弘には改めてお礼しないとな…。学校へと向かう道中そんな事を俺は色々と考えていた。
─この後、アイツが校門に居るとはこの時の俺はこれっぽっちも思っていなかった…。
********************
あとがき♡
本日もお読み頂き誠にありがとうございます。次回ついにアイツが登場します。引き続き応援や星等、重ね重ね宜しくお願いします。美鈴でした♡
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