第4話side愛美

「ではその様に手配して下さいまし」


「「「「「はい。承知致しました」」」」」


 会社の役員会議を終え皆様が退出。わたくしは皆様が退出するのを見届けるとふぅ~と一息つかせて頂きました。


「お疲れ様でゴザルよお嬢様」


「茜。貴女もお疲れ様でしたわ」


「拙者は調べてきただけでゴザルからお嬢様程は疲れていないでゴザル!」


「はぁ~、早く松山様のところへお見舞いに行って顔を見て癒されたいですわ」

「同意でゴザル!」


 最近わたくしが所有する茶道グループに関係する株を買い漁ったり、茶道グループの中でも余り利益が出ていなかった中小企業が買収され短期間で大企業へと発展したりと色々な事が起こりこうして駆り出される羽目になったのですわ。


「それにしても海外のこの企業…元々有名な大企業でしたけど最近社長が娘に代わってからの業績の伸びが凄まじいですわね?」


「拙者もそう思って調べていたでゴザルけども、この社長のキャロルというという娘…かなりのやり手でゴザルよ!社長になって数ヶ月程でここまで会社を大きくして茶道グループにも負けない程に成長させたのでゴザルから…お嬢様と同じ位…もしくは…」


「そうですわね。長年時間を掛けて会社等を大きくしたわたくしよりも才があると思われますわ…。数ヶ月でここまでのモノにしたのですから…。しかしながらこれ以上茶道グループにちょっかいをかけて私達わたくしたちの生活を脅かす様な事になれば黙っている訳にはいきませんね…」


『purururururu…電話でゴザル!purururururu…電話でゴザル!』


「茜…その着信音なんとかなりませんの?」

「これは拙者のお気に入りでゴザル!お嬢様暫しお待ちをでゴザル!…美麗殿からみたいでゴザル!はい。茜でゴザル…」


 美麗さんから茜に電話なんて珍しいですわね?茜が何かしたのでしょうか?


「ゴザル…ゴザル…話は分かったでゴザルけども豊和殿には護衛が3人も付いてるでゴザルしGPSの反応も病院を示しているでゴザルよ?」


─松山様に何かあったのでしょうか?

「茜!スピーカーに!」

「承知でゴザル!ポチっとな…でゴザル」


「…美麗さん?」


『愛美?豊和が…豊和の姿が見えないの!』


「落ち着いて下さいまし美麗さん。今そちらにいる護衛に連絡を取らせていますので…」


 人を呼び病院にいる筈の護衛へと連絡を取らせます。




─護衛と連絡がつかない?何を言ってるのですか?病院で何が起こっているのです?私と茜は急ぎ病院へ。茜と比べると腕は落ちますが優秀な方々なのですよ?その証拠に私達わたくしたちに復讐しようとしていたあの馬場の両親を発見、排除した護衛達なのですから。光莉さんに言われた後、警備等を強化したお陰で私達わたくしたちに害を成そうとするやからの芽を摘めたのですわ。そんな護衛の方々を?疑問ばかりが思い浮かびますわ。





─病院に着いた私達わたくしたちは美麗さんと合流。病院の方々も松山様を捜しております。護衛の方々の姿も見当たりません。どの位の時間が経ったのかは分かりません。必死に捜してまわります…。





─病院の方から護衛の方が見つかったと連絡がありました。護衛の方々は気絶しているところを職員の方が発見されたそうです。発見された場所は遺体安置室で見つかったそうですわ。意識が戻り次第事情を聞く事にして私達わたくしたちは病院の防犯カメラを見させて貰う事にしました。しかしそこでまた驚愕の事実が分かりました。防犯カメラの映像が全て消されていたのです。一体誰が?何の目的で?


─松山様を引き続き捜しながら護衛の方々の意識が戻るのを待ちます。


 どうかどうか松山様!御無事で居て下さいまし。神様どうか松山様を御守り下さいまし。


どんな事があっても捜してみせますから!



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