第30話行動あるのみ

ピンポーン♪


─誰か来たようだ。


「きっとあの2人ね…(ボソッ)」

(なら私も豊和の母親として未来の義娘達の為、出来る限りの事をしてあげるとしますか…)


「何か言った母さん?」


「豊和…あんた自分の部屋に戻ってなさい」


「?…よく分からないけど了解」


豊和は誰が来たのか分からないみたいね。本当に鈍いわねあの子は。このタイミングで来るとしたらあの放送を見て火が点いた娘達でしょうに…


「渚は大事なお客様をここに迎え入れてくれるかしら?」


「うん」


渚が玄関へとお客さんを迎えに行く。


「その間に、っと…光莉ちゃんに一応聞きたいんだけど豊和が好きって事で良いのかしら?」


「…はい/////」


「それは豊和が少ない男性だから?」


「いえ、それは違います。勿論、私もアイドルという職業を選んだ以上は1人の女性として他の女性と同じ様に男性に出会いたいと思っていました。でも、それがまさか親友の渚ちゃんにお兄さんが居て、突然男性に出会う事になるとは思っていませんでしたけど…。でも、豊和さんに出会って分かりました。豊和さんの小説に出てくる女性みたいにトクントクンと私の心臓が心地好く鳴り響くんです。豊和さんと話したり豊和さんの傍に居るだけで//////。他の男性では駄目なんです。豊和さんに出逢ってしまったから。だから…私は豊和さんが好きです」


「…ホント恋愛面はからっきしなのに良い娘達に好かれるわね。じゃあ光莉ちゃんにもあの子をお願いするわね。しっかり女性がリードしてあげないとね?」


「はい」



「お母さん?深雪ちゃんと幸子ちゃんだったよ!」


「「おばさんお邪魔します!!」」


「2人なら来ると思ってたわよ」


「あの放送見てたらそうなりますよね?」

「深雪の言う通りです」


「2人共しっかり来たみたいね?」


「「…はい/////」」


「じゃあこれからも宜しくね?」


「「はい」」


「と、言う事で深雪ちゃんに幸子ちゃん、光莉ちゃんにそして渚…4人は今から私が言う通りにしてみなさい?」


「「「「?」」」」


「それで豊和との関係が一気に進む筈だから…」


「「「はい、おばさん!!!」」」

「分かったよお母さん!」


「じゃあ、始めに…ゴニョゴニョゴニョ…」



「「「「//////////!?」」」」





******


その頃何も知らない俺はというと、


『お互い大変だったな、豊和?』


『だな…でもまずはおめでとうと言うべきだよな?』


『ホントそれな?父親になったのを聞かされたのがテレビだからな?本人から聞きたかったよ!』


『あ~、お前の魂の叫びはこっちにまで聞こえてたぞ?』


『そりゃあそうだろ?豊和の声も聞こえてたぜ!』


『だよな…』


直弘と電話で愚痴ってた…。




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