第29話叔母

『コホン…!こういう放送に出させて貰うという事で少しはっちゃけてしまいましたが…改めて豊和の叔母の松山美樹子です。どうぞ、宜しくお願いします!!!』


 テレビ画面に映っているのは間違い無く叔母だ。叔母さんなんて言ったら怒られる。叔母は見た目通りに若い。だって今年二十歳になったばかりだ。だから普段は美樹姉みきねぇと呼んでいる。えっ?歳が合わないって?そりゃあそうだ。捨て子だったのを婆ちゃんが引き取り育てたんだから。だから母さんの妹で俺にとって一応叔母になるわけ。因みにだが婆ちゃんは今、旅行中だ。そして叔母は天才の中でも天才。頭脳が飛び抜けている。小学生の頃から会社を立ち上げた位だ。まぁ、だからこそ社会で言う所のパイプが出来ており俺の小説も出す事が出来た訳だから。しかしながら一体何を言うつもりなんだ?しかも全部バラしやがって!俺達はテレビから聞こえる声に耳を傾ける…。


『早速ですが単刀直入に話をさせて貰いますと甥の豊和の件です…』



「美樹姉…頼むから変な事口走らないでくれよ!」

「それはどうかしら…」

「ちょっと母さん!?何か分かったの?」

「テレビ見てれば分かるわよ…」

「不安しかねぇ…」



『皆さん、豊和の小説等を見たら分かると思いますが豊和は恋愛についてある種の理想を持っています。それは私達女性からしたら嬉しく感じる部分も多々ありますがもどかしくも感じてしまうものです。深い関係になるまで時間が掛かってしまいますので…』


『あ~…』

『そうだね、嬉しいは嬉しいけど…』

『現実と理想か…』



「ほっとけ!」

「…美樹子叔母さんの言う事私は分かる気がするよ、お兄ちゃん?」

「えっ?」

「あ~、確かに。私も分かりますよ先輩?」

「光莉ちゃん迄!?」

「ほら、あの子が語ってくれるわよ?」



『今の世の中の女性が求めるのは子供なんだよ、豊和?特に男性に出逢えた女性からすれば男性に対して耐性が余り無くとも直ぐに深い関係になるのが正しいの。それだけ生活も保証されるしね…』


『確かに…』

『男性に出逢えたらやっぱり抱いて欲しいよねぇ~』

『そんな機会…中々来ないしなぁ…』

『子供を授かれて男の子だったら余計にそうなるよ』



「…美樹姉は何が言いたいんだ?」

「はぁ~、これだから…」

「私も美樹子叔母さんが言いたい事大体分かったかも…」

「私も分かりましたよ!」

「マジか…俺だけかよ、分からないの?」



『直弘君も彼女との関係は深いでしょ?既に子供も授かっているのだから…。この話を聞いても今、!!!!!』



「へっ…俺に言うんじゃないの?」



は豊和の元に行き次第、豊和との関係を一気に深めるわよ?先を越されたくないのなら今直ぐに動き関係を深めなさい!また豊和の種が欲しい人は随時募集する事をここに誓うから心配しないで下さい!という事で私からは以上…かな。いい加減私の気持ちにも気付きなさいよ豊和?』



「「「やっぱり…」」」


「はぁーーーっ!!?全く分からん!えっ?何なの?ドッキリ…ドッキリなのか?」


「はぁ…あの子が貴方に告白したのは分かるわね?」


「いやいや、そこからまず分からん!えっ?美樹姉って俺の事好きなの?マジで!?」


「あんたはどこまで鈍感なのよ!!!」

「お兄ちゃん…」

「渚…可哀想な目で俺を見るな…」

「そっかぁ…先輩鈍感なんだ…」

「そこまで鈍感じゃ無いから!」

「「鈍感でしょっ…」」

「ぬぐぅー!」



『松山さんの話にあった通り、まずは私と松山さんで彼の恋愛脳を変えて来ます。彼の恋愛脳が変われば自ずと彼から寵愛を受ける人も増える事でしょう。そして、これが世界を変えていく法案の礎となる事でしょう。私達の政策に御期待下さい!これで放送は終わります。質問があれば随時受け付けますのでどうぞお気軽にお尋ね下さいませ…』



「御期待下さいじゃねぇー!そんな法案の礎要らないから!しかも何を俺の恋愛脳が低いみたいに言ってんだ!寵愛ってなんだ!俺はどっかの皇帝かよ!」


「うるさい豊和!」

「お兄ちゃんうるさい!」

「せ、先輩…落ち着いて!」

「マジでどうなるんだよ…」




******


そして、美樹姉が言った事を受けて動き出す者達が勿論居るわけで…


深「…美樹子姉さん昔から豊和見る目が違ってたからなぁ…でも私が…」


幸「豊ちゃんと…深い関係…」


遥「豊和君と一気に関係を…」


唯「ボクだって…」


美「アタシがアイツと…」


真「豊和君とは私だって…」


愛「…豊和様」


双「「私達だって…」」


愛「あ~しの胸見たし…」


茜「豊和殿…」


キ「美樹子姉さん…とうとう本気で…」


?「良かった…君がここにちゃんと存在していて…」


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