第31話男だろ!

コンコン!


俺の部屋のドアがノックされる音。母さんか?俺は直弘との電話を終えた後、少し小説の書き溜めに励んでいた。先程、自分の小説ページをふと開くとフォローしてくれる人が物凄い勢いで増えていた。放送を見ていたのだろう。お礼として複数話更新する為だ。まぁ、小説のストックはまだまだあるんだけど余裕を持って置きたいからね。


「開いてるから勝手に入って良いよ!」


ガチャ……パタン…カチリ…


ドアが開き誰かが部屋へと入って来る。ドアが閉まりカチリと鍵が掛かる音。んっ?鍵?

机のパソコンに向いていた視線を部屋のドアの方へ……えっ!?


「さ、幸子!?どどど、どうして水着なんだよ?しかも髪は濡れてるし…み、水着だって…」


 ドアの前にはボブヘアーの金髪の髪先から水が少し滴り、それがショルダーフリルのネックワンピース型の白い水着を少しずつ濡らしている幸子の姿。


「そ、そんなに見りゃれると少し恥ずかしいよ豊ちゃん/////」


「…恥ずかしいし、見られたくないなら何でそんな格好なんだよ?他にも色々突っ込み処が満載なんだけど?」


「むっ…突っ込むより言う事ある筈でしょっ豊ちゃんは!」


「……すげぇ…似合ってるよ…幸子/////」

(恥ずっ!滅茶苦茶恥ずかしい…それとな幸子…口には出せないけど、後ろ手にモジモジするのはヤバいからな?)

「あ、ありがと/////」


「…で、何で水着なんだ?髪迄濡れてるじゃん…」


「…ホントに分からないの豊ちゃんは?恋愛小説書いてるのに?」


「あ~…そう…言われたら分かるよ…」


「…分かったの?私が水着来てここに居る理由?」

(水着は叔母さんに言われたのと…それに先日、遥ちゃんの水着姿に興奮してたって聞いたし…)


「幸子から先日…その…告白されたし、そりゃあ分かるよ。こう…アレだろ?自分で言うのは恥ずかしいけど…好きな人に水着姿を見て貰いたいとかそういう…」

「分かって無いじゃん豊ちゃんの馬鹿っ!」

「何ぃぃ!!!違うのか?」

「もぅ!もぅ!ホントに豊ちゃんの馬鹿っ!私の姿を見て興奮しないの?俺のモノにしてやろうとか思わないの?私が豊ちゃん以外の男性と結ばれても「いや…だ」…えっ?」


(俺…今…何て…)


「…ふ~ん…そっかぁ…豊ちゃんは私が他の男性のモノになるのは嫌なんだよね?」


「!!?」


「自分の事なのに何で驚いてるの豊ちゃん?」


「…深雪の時と同じなんだ。ハッキリ、こう何と言えば良いか分からないんだけど…って、幸子!近い近い!近いから!」


俯いていたら幸子が目の前に…手を取られ引かれ立ち上がり…向かう先は…ベッド!?


「おい…幸子?」

(…力、強くね?)


「ねぇ…豊ちゃん?」


「何だ…?うおっ…」


ギシッ!…ギシッ!


 突然足をかけられてベッドに倒された俺。ベッドが軋む音。2回もその音が聞こえたのは俺の上に跨がり俺を見下ろす幸子が居るからだ。


「…この世界は豊ちゃんの小説みたいに一夫一妻制じゃなくて一夫多妻制なんだよ?しかも男性が圧倒的に少ないの!」


「…知ってる」


「豊ちゃんは私が取られても良いの?嫌なの?どっちなの?」


「……嫌…だ…よ」


「なら…豊ちゃんの中には私がもう大切な人として存在して居るんだよ」


「…えっ?」


「私だけじゃない…深雪も…他の娘達こたちも…ね」


「それは…」


「だから…まずは私と繋がろうね」


そういった幸子の顔は妖艶というか、色っぽいというか、何と言えば良いかは俺には分からないけど…とにかくこのままいくとお互いの関係が進む事だけはハッキリと分かった。


「…俺で…良いのか?」

「豊ちゃんじゃ無いと駄目なんだよ?」

「うん…分かった…」


俺は幸子を逆にベッドに押し倒し…


「きゃっ…」


「…幸子…もう止まらないから…」

「うん…豊ちゃん興奮してるもんね!当たってるし/////」

「仕方ないだろ?」

「うん…仕方ない仕方ない!私だって…ほらっ…ここ…分かるよね?」


「…うん」

「初めてだから優しくしてね/////」

「…努力する」

「そして…いっぱい私を感じてね/////」


そしてお互いの唇が重なり…影が重なる。こうして俺と幸子は結ばれた。




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