第44話久しぶりの学校
pipipipipipi……プッ!
寝惚けながらも掛けていた目覚ましを止める。もう起きる時間か…。やけに体が重く感じる。疲れが溜まっていたのかも知れない。
体を起こそうとすると直弘がベッタリと体にくっついている。重く感じたのは直弘のせいか!?パチンっと直弘のおでこをはたき起こす。
「んあっ………おっす…豊和」
「おっすじゃねぇよ。いつまでくっついているんだよ?」
「ああ…悪い…それにしても本当に良い朝だな?」
「俺はお前のせいで体が重いけどな?」
「気にするな!俺を癒すのは心友のお前だけだろ?」
「お前の癒しは麻季だろーが…」
「ふっ…アイツは変わっちまったよ…」
「何言ってやがる、ベタ惚れのくせに…」
「まぁ、否定はせんが…」
「その内慣れるだろ?」
「俺のはここにある豊和の豊和程数をこなせる訳無いだろ!」
「おい!握るな!」
「ホント立派になったな?」
「…病院に行くか?」
「遠慮する…」
「馬鹿やってないで飯食べようぜ?」
「そうだな…」
食事を済ませ学校へ向かう。校門前には麻季が仁王立ちで待ち構えていた。
「直弘…どこに行ってたのかな?」
「…ホテルです」
「まさか自分で女性を捜したんじゃ…」
「それは無い…」
「本当に?」
「豊和が証人だ…」
「麻季…ホントだぞ?」
「豊和君が言うなら間違い無いか…」
「その通りだ。豊和とホテルで一緒だった」
「誤解を招く言い方するんじゃねぇよ」
「コホン…どっちが攻めでどっちが受けなの?」
「麻季、あり得ないからな?」
「しいて言うなら豊和が受けだろ?」
「嫌だよ!」
「じゃあ攻めか?」
「どっちも遠慮するわ!」
そんな風にしょうもない事を話ながら笑い合っていると名前を呼ばれたんだ。
「おはよう豊和君…朝から楽しそうで何よりだわ」
「真冬先輩…おはようございます」
「じゃあ、早速私に付いて来てくれるかしら?」
「どこにです?」
「指導室よ」
「え~と、何かやらかしましたかね?」
「クスッ…ええ、そうね。かなりやらかしてるわね…」
「取り敢えず了解です。直弘、俺は指導室に行ってくるから…」
「ああ…頑張ってな」
「?」
頑張って怒られるのに耐えろという事か?そんなに怒られる様な事したっけ?思い当たるのは学校を休んだ事位だよな?そんな事を考えながら真冬先輩の後を付いて行く。すれ違う女子生徒達は必ずと言っていい程俺の股間ばかり見ていた。そういえば先日の緊急放送でも俺の俺は放送されたんだったな…悲しくなるな、しくしく…。物思いにふけっているといつの間にかもう指導室へと辿り着いた。何の話なんだろーな?
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