第43話困った時は直弘

 ようやく…ようやくだ。ようやく学校へと向かう事が出来る。あれから大変だった…。いや、あれからもと言った方がいいか?リトルシスターズの猛攻を幾度も凌ぎ、体力が戻った茜先輩と愛を相手に。その間に回復したリトルシスターズの猛攻をまた凌いでと俺が休まる時間はほぼ無かった。4人が動けない状態だった為、急遽直弘に連絡。直弘が護衛の人共に迎えに来てくれた事により俺はホテルを後にする事が出来た。そして今は車の中ってわけ。因みに時刻は午前0時を過ぎた所。


「直弘、本当にありがとう」


「気にするなよ」


「本当に助かったよ。このままじゃ、いつまでも学校に行け無かったから…」

「奇遇だな…豊和。俺もだ…」

「えっ…?」


「…言いたくは無いが…俺も大変だったんだ…」


「そ、そうなのか?でも、言いたく無いなら何があったかなんて俺は聞かないぞ?」


「聞いてくれよ豊和!!!」


「聞いて欲しいか────い!!!」


「当たり前だろ!こんな事お前としか話せ無い!神様何て事をしてくれたんだ…」

「ん?神様?」

「いや…それは気にしなくて良いんだ…。それよりも麻季が妊娠しただろ?」

「嗚呼…そういえば直接は言って無かったな…おめでとう直弘」

「ありがとうって、そうじゃないんだ!」

「えっ…子供を持つつもりでは無かったって事!?」

「それもちげぇ!麻季の妊娠は凄く嬉しいんだけど俺Aランクになっただろ?」

「…そういえばそうだな…」

「麻季が勝手にクラスの女の子を五人も連れて来て…」

「……えっ、あの麻季が?」

「そうなんだ…私は妊娠したから私が選んだ女性を妊娠させてあげてねと言って…しかも恋人休暇とか訳分からんのを使わされて…」


「…まさか…それでヤツレテいたのか?」


─直弘の頬は会わない何日かの内に痩けている。搾り取られたのが容易に予想がついた。


「休み無しだったんだ…食事以外全て相手させられて…」


(うわ~麻季…それは直弘が可哀想だろ?)


「無理だと言ったら精力剤飲まされて…」


((ピクッ)話を聞いてると頬がひきつりそうだ…)


「いくら戦闘状態になっても…出るわけ無いだろ?俺は普通の男だぞ?」


「何と言えばいいか…」


「しまいには何も出なくなったのに出た気がしたらそれにも子種は含まれるとか意味不明な事を言われて…」


「…辛かったな、直弘…もう大丈夫だ」


「うおぉ~ん…豊和…俺、俺凄く頑張ったんだ…お前が電話してくれなければ俺はこの世に居なかったと思う…グスッ…本当に…本当にありがとうな豊和!びぇ~~ん…」


麻季…本当に何してんの!?直弘のこんな表情と弱々しい態度見た事ねぇよ!?ホント何してんの!?


「そうだ…直弘!そんな状態なら帰ったらアレだろ?今日は俺とホテルに泊まって明日そのまま学校へ行こうぜ!何も持たなくてもそのまま学校へ向かえばいいだろ?」


「天才か!?豊和天才なのか!?俺には本当にお前しか居ない!愛してる♡愛してるぜ豊和♡チュッ♡」

「うぉ~い!?お前何してんの!?何でキスしやがる!?離れろ!離れるんだ!直弘!」

「嫌だ!俺はお前から離れない!」

「正気に戻れ!」

「い~や~だ~!!!」


ホテルに泊まりようやく学校へと2人で向かった。直弘が朝方迄寝てる間も離れてくれなかったのは言うまでも無い事だ。



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