第46話例の件

 真冬先輩と結ばれた翌日。俺は真冬先輩と音楽スタジオを訪れていた。昨日真冬先輩が「ヤったの?」と、言ったのはどうやら「もうレコーディングはヤったの?」と聞きたかったらしい。何て紛らわしい!


 真冬先輩は歌手活動を行っており俺が美樹姉と約束した例の件を知ってたって事だ。そう、例の件とは歌手デビューの事。そして何とカップリング曲は真冬先輩とのデュエット曲。そんなわけで一緒に訪れたんだけど真冬先輩が腕を組んだまま離れない。


「真冬先輩…そろそろ離れないとレコーディング出来ませんよ?」

「いや…それに真冬って呼んでよ」

「…真冬?」

「うん…名前で呼ばれるって良いわね♡」

「さぁ、始まりますんで…」

「絶対離れない…もん」

「もんじゃないんですよ!もんじゃ…」


結局真冬先輩に腕を組まれたままレコーディングは進む。俺の歌声を聞いて皆が悶えてたけど大丈夫?男性の耐性が余り無い世の中でこれはマズイんじゃない?えっ?大丈夫…?

分かりました。俺は責任持てませんので責任は美樹姉にお願いします!


 レコーディングを終えた後は真冬先輩と街中をブラブラ。街中なので勿論直ぐ近くでリトルシスターズと茜先輩、愛が護衛してくれている。リトルシスターズの2人が艶々しているのは触れ無いで欲しい。幼女体型の癖に滅茶苦茶回数を求められたなんて決して口にはしない。


「そういえば転校生が来るらしいわよ?」


「そうなんですか?」


「ええ、しかも豊和君のクラスみたい…」


「珍しいんですか?」


「珍しいわ。この時期…。しかも普通なら男性が居る高校に入って来るなんて出来ないもの…」


「そうなんですね…どんな人かな…」


「豊和君目当てじゃない?多分…」


「俺ですか!?」


「豊和君じゃなかってら根来君でしょうね」


「直弘いっぱいいっぱいだったみたいだからなぁ…今日は朝から麻季に捕まり色々頑張らされてるみたいだし…助けてとだけメール来てたし…」


「根来君も大変ね…助けなくていいの?」


「直後麻季からメールで助け舟だしたらどうなるか分かるよね豊和君というメールがきたので今日は無理ですね…」


スマン直弘。麻季は怒らせてはいけないのだ。お前も分かるだろ?


「根来君も頑張ってるなら…豊和君も今から頑張れるわよね?」


「えっ?」


真冬先輩だけでは無い。茜先輩に愛迄獲物を狙う目をしている。リトルシスターズは言わなくても見なくても分かるだろ?荒い息が聞こえてくるし…。


まぁ、この日も結局ホテルにお世話になることになった。一応今日も俺は勝ったとだけ言っておく。そして翌日学校へ行くとクラスに転校生がやって来た。



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