第37話新居

 屋敷を見た俺の第一声は、


「なんじゃこりゃ─────────ぁ!」


 だってそうだろ?本当に豪邸だよ…。良くテレビなんかでも芸能人の家紹介とかあるじゃん?アレだよ、アレ。えっ?今日からここに本当に住むの?視線を横に向けると幸子、深雪、渚も口を開けて驚いている。


 荷物を纏めて幸子とも合流。幸子の両親も同じ様に深雪が持って来たモノと同じ箱を幸子に持たせていたのでしっかりと燃えるゴミに捨ててきた。使わないから、絶対に使わないから。フリじゃないからね。


 かくして俺達は迎えに来てくれた愛美先輩のSP?の方に連れられここに連れて来られた訳だけどあまりの豪邸っぷりに頬をひきつらせていたところだ。流されるまま流されて(無理矢理ともいうのだが…)ここまで来た訳だがどうすっかな~?


「豊ちゃん。何してんの?早く入ろうよ!」


「そうだよ、豊和。今日から私達ここで皆一緒に暮らす事になるんだから!」


「お兄ちゃん。早く入って子作りしよ♡」


「渚よ!茜先輩みたいな事を言うんじゃない!」「呼んだでゴザルか?」


「うおおぉ!ビックリした~。……茜先輩急に出て来るのは止めて下さい。心臓に悪いので!」


「それはスマンでゴザルよ!まぁ、とにかく入るでゴザルよ!ここが拙者達皆の愛の子作り場になるでゴザルから!」


「茜先輩…下ネタは止めて貰えます?」


「イシシッ!でも溜まってるでゴザルろう?」


「…何故?」


「思春期でしかも抜いたのが一週間前でござろう。男は1日で元通りになると聞いたでゴサル!」


「…茜先輩には色々言いたい事がありますが何故日にちが分かるのですか?いや、してないけども言い掛かりは止めて下さいね?」


「何を言ってるでゴサルか?渚殿も知ってるでゴザルよな?」


「そうだよお兄ちゃん♡一週間前に出してたじゃん」


「はい!アウトアウトアウト────!何で渚がそんな事分かるんだよ。勘違いかもしれないだろ?」


「えっ、何言ってんの、お兄ちゃん!下着の匂いで出したか溜まってるかは常識的に考えると分かるでしょ?それに使用済みのティッシュ持ってるから!」


「分かるかー!んなもん!それでそんな物は直ぐに棄てろ!で、茜先輩は?」


「拙者は渚殿から聞いたでゴザルよ!健康管理も拙者の仕事でゴザルから!」


「渚…お兄ちゃんの事は人には内緒にしておけ!良いな?兄ちゃんとの約束だ!」


「分かったよ、お兄ちゃん。その代わり後で御褒美もらうからね♡」


「はぁ~、暮らす前から不安しかね~よ!」


「ねぇ…豊和?」


「うん?」


「ちなみにだけどその時は何の本を見てしたの?それとも誰かとする事を想像したの?どっちなの?」


「…深雪何を?」


「…私も気になる…」


「幸子迄何言ってんだ!」


「豊和大事な事なの!答えて!」

「豊ちゃん答えなさい!」


「……忘れた」

「えっ、あの時のお兄ちゃんは『生徒会長と過ごすイケナイ時間』というDVDを借りて来てたよね?」

「なぎぃさあああぁぁ────────!」

(俺と今約束したばかりだろーが!)


「豊和のスケベ!」

「豊ちゃんの変態!」

「拙者が今度生徒会長の役をやってあげるでゴサルから!」

「お兄ちゃん私もしてあげる♡」


「くっ…殺せ!」


「豊和くっ殺はもう流行らないと思うよ?」

「豊ちゃん面白くないよ?」

「男性のは需要無いでゴザルよ」

「お兄ちゃんそこはくっ…俺を犯せの方が私は好き…」



 辱しめを受けた後、俺はトボトボと豪邸の中へと足を踏み入れるのだった…ぐすん!それと渚はそういうことを言わない。それもお兄ちゃんとの約束だ!






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る