第11話精力テスト
昨夜は寝る事なんて全く出来なかった。余りにも甘い女性特有の匂い。周りを見渡せば静かに寝息を立てて眠る水着の美女達。正直に言おう。テントが余りにも張り過ぎて痛かった。えっ?我慢せずに抱けば良いって?そんな事出来る訳無いだろ?付き合っても居ないのに。そういうのは付き合ってからの話だ。欲望に身を任せそんな矢鱈むやみに手を出したらそれこそアイツと…主人公と同じになってしまう。
とにかく眠れなかった俺は朝の四時に直弘の家へと向かう。勿論書き置きを残して直弘には悪いが電話で起こさせて貰った。そして俺の顔を見て開口一番…
「お、おい豊和…何でそんなに隈が出来ているんだ?」
「お~聞いてくれるか…友よ…」
「あ…嗚呼…」
「実は昨日の事なんだが…」
俺は昨日あった事を直弘に聞いて貰った。俺がファンだったアイドルの光莉ちゃんに会って有頂天になってやらかした事。その際怒らせてしまった妹のご機嫌を直す為お菓子を買いに出て主人公に襲われそうになっていた遥を助けた事。そんな怖い思いをした遥を1人に出来なくて泊まらせた事。そして男にとってのあの禁欲の修行に思える地獄の様な時間を経験させられた事、全てを直弘に聞いて貰った。途中から直弘も同情してくれたのか顔がひきつっていたがな。
「そ、それは濃い時間というか…とにかく大変だったな。俺は、麻季がいるからそこら辺はアレだが…」
「だろ?」
「キャロル姉さんも渚ちゃんも昔からお前一筋だしな…」
「姉と妹だぞ?」
「そう思うお前が不思議なんだがな…」
「それ遥にも言われたな…」
「まぁ、とにかく今の内に寝て置けよ」
「嗚呼…ありがとうな」
「今日は精力テストだから」
「………えっ?」
「えっ?じゃねぇよ!高校入ったら直ぐに精力テストがあると国からのオンライン授業で習っただろ?」
「…悪い、覚えて無い。何なんだその精力テストって?」
「マジかよお前…。良いか精力テストって簡単に言えば男の専用のテストで夢精は経験してるだろ?」
「…嗚呼、あの時も大変だった…な」
「まぁ、その悲しい話はまた今度するとして大体精通しているかの確認とぶっちゃけ精子が正常かを国に提出する為の検査だな」
「…マジ?」
「当たり前だろ?男は生活の保証が約束されているんだから…」
「異常があるものは?」
「保証は解除され普通の生活しているな…」
「そうなんだな…」
「覚えてろよな…。それと学校には男性のそれを搾取する部屋があって、あ~、勿論その部屋は防犯カメラで見張られていて選んだパートナーとその部屋に入るか担任の先生と入ってだな…」
「んっ?ちょっと待ってくれ。パートナーか先生?1人で入るんじゃないのか?」
「1人な訳無いだろ?ちゃんとそのパートナーが出たかを確認が義務。と、パートナーの手で出して貰う事が決まってるんだよ。女性は中学時代に習っているらしいぞ」
「何なんだその羞恥プレイは…」
「先生が女性職業ランキング上位なのもそれが理由だぞ?」
「マジか?…しか出てこねぇ~」
「俺は麻季とそういう行為以上をしているし麻季に頼むからそういう心配はいらないんだが、あっ、勿論本番は禁止されている。あくまで精子の提出だからな」
「…どうすれば良い直弘?」
「波多野や仁多野、あるいは昨日告白してきた五人?、それからキャロル姉さん、渚ちゃんか光莉ちゃんかまだ決まってない担任の先生、それから学校全体で女子によるくじ引きかじゃね?」
「渚や光莉ちゃんって中学三年だぞ?」
「だから中学で習ってるだろ?その時だけは呼べるらしいぞ!別の高校でも中学でも大人でも何でもな…」
「しかもくじ引きって…」
「男性と同じ高校の女性はワンチャンそれも楽しみらしいからな」
「マジどうしよう…」
「こればっかりは豊和次第だけど…俺としちゃあ幼馴染みに頼むのも良いかと思うけどな?」
「それ検査が終わってからどういう顔して会えば良いんだよ?」
「付き合うとか?」
「確かに女性と付き合いたい、ラブラブお前と麻季みたいにしたいとか思うけど…」
「まぁ、悩む位なら今回は先生に頼むしか無いんじゃないか?」
「はぁ~…だよ…な?って、今回はって言ったか?」
「嗚呼、高校生活では春、夏、秋、冬に一回ずつ、計12回だな。女性の為らしいけどな。同じ相手は駄目らしいし、俺も次回以降が…な」
「だよな。麻季、独占欲強いからな…」
「そうなんだよ~!って早く寝ろよ!寝る時間無くなるぞ!」
「嗚呼、そうだな」
「おぅ、寝てスッキリしてから考えろよ!時間あるしな!」
「サンキュー…直弘」
「ああ」
─寝て起きたらしっかり考え無いと…な。
そして少しだけ休む事が出来た俺は直弘と共に直弘の家の玄関を出る。そこには……。
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