恋愛ゲームのモブに転生した俺！～ヒロインキャラが全員好感度MAXなのは気のせいでしょうか？

第35話いいんだな？

「…いいんだな…深雪？」

「えっ…ぇ…あ……だ…め…まだお風呂にも私はいって…ない…し」

　俺は徐々に顔を深雪に近付けていく…！

「ま、待ってぇ…心の準備が…ぁ…」

　─深雪は目を強く瞑り震えている…。

パチン！

「痛っ！」

「バーカ！そんな事しねぇよ。これで懲りただろ！思春期の男の前であんまり無防備にしていると取り返しがつかなくなるからな？マジな話、深雪は美人なんだから自覚を持て！」

「無防備なのは豊和の前でだけだよ(ボソッ)」

「…何？聞こえないんだけど？」

「う～！豊和の馬鹿ぁーと言ったのよ！」

「ヘイヘイ、どうせ俺は馬鹿ですよ～だ！さぁ、早いとこ荷物纏めるから手伝ってくれ」

「………」

「あ～、わりぃ！怒らせちまったか？そう怒らないでくれ。フグみたいに膨れっ面してるのは可愛いけどな」

「う～もう、分かったわよ。ここら辺の物は持っていかないのよね？」

「ああ、こっちの方を頼むよ？」

「…ねぇ、豊和？」

「うん？」

「今のうちに聞いておきたいのだけど…」

「何を？」

「昔…私が絡まれた時の事…憶えてる？」

「…ああ、あの２人組の男の人達か？深雪をナンパしてた」

「…うん」

「…それがどうかしたのか？」

「あの時豊和が助けてくれて…その後は喫茶店に連れて行ってくれて…そしてボロボロになった本をわざわざ同じ本を買いに行ってくれて…」

「…よく憶えていたな？」

「あの時ね…あの時から私、徐々に豊和に惹かれていったんだよ…」

「/////」

「中々素直になれなかったし幸子も豊和の事が好きだったから諦めないといけないと思った事もあるんだよ。でもね、諦めるなんて出来なかった。初恋だったしね♡」

「ぁぁ…」

「豊和と居ると私は私で居られるの！素の私っていうのかな？ずっと豊和と一緒に笑い合い、喜び、悲しんだり…色々な事を分け合い生きていきたいの。こういう形にはなったけど一緒に居られるんだから私は嬉しいよ！」

「…んぁ～…急にそんな話はズルいと思うぞ？」

「ズルくは無いの。さっきだって恥ずかしかったけど豊和が私を求めてくれるなら受け止めるつもりだったんだからね？」

「…本当に良い女の子というより凄い女性だな、深雪は…」

「エヘヘ…そうかなぁ」

「うん。心からそう思うよ！」

「そっかぁ～好きな人に褒められると心がポカポカするもんだね？」

　こんな良い女性が俺に惚れるなんてね。勿体ない事に９人もの女性に言い寄られているのだがどこぞのハーレム王みたいには直ぐに決めきれない。いまだに俺は１人でいいと思っていた。７人からキスされたくせにとはどうか思わないで欲しい。

　しかしながら高校に入って２日目にして告白されるわ、怪我するわ、俺を好きな子達と一緒に暮らす事になるわで波乱な高校生活になってしまった俺…。誰か導いてくれないかな？