第16話side深雪①
豊和とのお風呂を賭け私達8人はジャンケンを行なった。真冬先輩は前日抜け駆けして一緒に入ったので残りの8人の中から勝者が決まる。負けられない闘いがそこにはあった。熾烈を極める闘いを勝ち抜き私は豊和と一緒にお風呂に入る権利を勝ち取ったのだ。
1人で入れると言い張る豊和を手を取り引っ張ってお風呂に連れて行く。こうみえて私の胸は今にも張り裂けそうな位ドキドキしてる。好きな人に肌を見せるんだから当然だよね?
豊和が上半身に身に付けている服を脱がせるのを手伝ってから私は自分の服を脱ぎ始める。私に興奮してくれるだろうか?という不安が襲ってくる。脱ぎ終わった私は意を決して振り返り豊和の元へ。脱ぎ終わっている豊和は勿論タオルなんか巻いていない。えっ?男の人のってあんなに…ってまだ下を向いているわね。聞いた話では上向きになると聞いた!目線を逸らして無心になろうとしているがそうはさせない!私だって…。
「どうかな豊和…私の身体は?ちゃんと…見て…」
恥ずかしいぃ!恥ずかしくてどうにかなりそう!豊和の目線が私を捉えたのが分かる。
(ちょ…ちょっと…待って。男の人ってあんな風になるのおぉ!だ、だだだだだ大丈夫…落ち着くのよ深雪。しっかり予習はしてきた筈でしょ!)
お風呂場に行き豊和を椅子に座らせ恥ずかしい我慢して性の話と想い出話をする。好きが抑えきれなくなっていく。私は身を寄せ私を意識して貰う。私はここに居ると心に認識して貰う。豊和を後ろに引き寄せ怪我させない様に床に倒して跨がった。
必死に我慢しているのが当たっているから分かるのだ。私は少し…かなり卑怯な事を今から行うのだ。唇を重ね、強引に舌を入れて唾液を交換。糸が引いてそれは凄くイヤらしい。
「…プハッ…はぁはぁ…だから今この場で受け入れて貰えなかったら私は消えるから…」
(私は卑怯だ。豊和の優しさに漬け込もうとしているのだから…)
「消える?」
「そう…この世から…。豊和が私を少しでも大事だと思ってくれているのならこのまま私に身を委ねてよ…」
(でもここで許否されたら私は本当に…消えてしまうだろう)
******
────漸く身体を重ねる事が出来た。豊和を間近に感じれた。幸せだった。物凄く痛かったけど私の幸せの証。
勿論豊和は身体を重ねる積もりは無かったんだと思う。あんなに綺麗な真冬先輩の誘惑を乗り切った位だから。私は先に部屋へと戻り髪を乾かし始めると直ぐに豊和が来てくれた。念の為部屋の鍵は架けておく。
気のせいだと思うけど豊和の視線を異様に感じる気が…。気のせいじゃ無かった!ずっと私を見ている。さっきの今だから顔を合わせるのはとても気恥ずかしい♡でも心地が良かった。子供は元々豊和との愛の結晶ならいつでも妊娠して良いと思っていた。当然だよね。愛する人の子を身籠りたいと想うのは。
まさか自分が告白されるとは思っていなかった。しかも私を抱いた責任とかではなく本心で私を必要だと…好きだと言ってくれてるのが分かる。こんなの誰だって泣いちゃうよ!まだ痛むけど優しく何度も身体を重ね合う。幸せな
朝起きてからも再び愛し合った。でも今日は学校だ。そんななか豊和が2人で暮らそうと言ってくれる。嬉しい。こんなに想われているなんて嬉しくて堪らない。でも…それは駄目。多分、私達2人だけで暮らしたりなんてしたら豊和はいなくなってしまうと思う。皆とも短期間で仲良くなったし、幸子にもそれでは申し訳が立たない。皆で幸せになるんだ!色々な事を豊和には伝えた。考える時間が必要だと思っている。私は先に皆が居る筈のリビングへと向かった。
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