第26話政府の話は続く

『既に政府機関の男性特別管理室に置いて彼の…根来君の精子を用いて3人の女性が人工授精によって妊娠しております…』


『『『『『…羨ましい……』』』』』



「はぁ!?聞いてねぇーよ!既に妊娠って何だよ?…いつの間にか3人もの父になってるしぃぃぃぃぃ──!?」


 相変わらず隣からは悲鳴に似た慟哭が聞こえてきやがる。分かる、分かるぞ、直弘っ!同じ男として気持ちは分かる…が、しかし、こればかりはどうにもならない。すまない、直弘…。何も出来ない俺を許してくれ…。



『そして彼がAランクとして優れているのはそれだけでは無いのです…』


『…それだけでも凄いのに…』

『まだあるというのか…?』


『調べでは既に1人彼女がいらっしゃるのですが、その彼女さんとは一週間に多いと2回も性交が行われているのです…』


『馬鹿な…一週間に2回も…』

『流石新しく誕生したAランク…』

『末恐ろしい…』



「恥ずかし過ぎるぅぅぅ!俺の性が全て晒け出されていくぅぅー!」



『まだ驚いてはいけません。一週間に2回もと言いましたがそれは一週間の回数。1日で行える性交は少し時間を置くだけでなんと多い時で3回も彼は行えるのです…』


『な、なんと…』

『これがAランク…』

『化け物並ね…』



「誰か俺を殺してくれぇー!それに怖ぇーよ!俺が知らない内にカメラか何か仕掛けらていて、もしかして監視されてるのかぁー?何処だ何処だっ!カメラは何処なんだぁ──────!?」



『でもそれは…間違い無いのですか?にわかには信じられませんが…』


『ご安心下さい、間違いありません。彼女にも確認が取れております…』



「お前かぁー!麻季ぃぃぃ!俺を売ったとでもいうのかぁー!何も安心出来ねぇぇぇ!」


「身近に裏切り者が居たとは…直弘…何て嘆おいたわしい…」

「何言ってんのお兄ちゃん…義務だよ?」

「そうですよ先輩、それは義務です!」

「豊和大事な事なのよ?それは女性の義務よ!この後、あんたはホントに勉強しなさいよねっ!」


直弘…俺達が間違っているみたいだぞ…?



『そして、その彼女さんからの言伝てで、この放送で根来君にサプライズをして欲しいと承りました。何とこの度、彼女は人工授精では無く性交で見事妊娠したそうです!』


『なんとおめでたい!』

『おめでとう根来君!』

『これは明日の新聞の一面を飾れる…』



「サプライズじゃねぇーよ!どうせならお前の口から聞きたかったわそんな大事な事!どうなってんだよ全く…!しかも一面って要らねぇーよ!」



『皆さん分かりましたか?これがAランクの男性の力なのです…』



「分からなくて良いよっ!何言ってんだこの大臣!」



『確かに…』

『そんな何度も女性と愛を語り合えるなんて…』

『Aランク…伊達では無いという事…か』


『…更に国民の皆様にはまだ大事なご報告が御座います!』


『まだあるのか…』

『何て情報量なんだ…』

『こりゃ、号外だな…』


『まず、下準備として心を落ち着けて下さいませ。大変…衝撃的な写真が写し出されます…心臓が弱い方、ご高齢の皆様に置かれましてはここで映像を見るのを一旦お辞め頂きたいと思います。また誠に勝手では御座いますが写し出される写真は1分と時間を設けさせて頂きますのでご了承下さい!』


『…一体大臣は何を?』

『これ以上の衝撃があるというのか…』

『どうやって落ち着けというの?』

『1分って…』

『それだけショッキングなのね…』




『…それでは、ゴクッ…写真をモニターに表示します…』



 一体大臣は何を見せようというのだろうか?俺も画面の向こうの祭大臣、母さん、渚、光莉ちゃんと同じ様に息を飲み画面を見守るのだった…。

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