第11話side唯
ボクは自分が嫌いだ。いや…嫌いだったが正しいかな。自分の事をボクと自称。女性らしさを象徴する胸も小さい。シナリオでも嫌な奴に絡まれるシーンがあるがまな板やらチッパイやら好き放題言われる始末。
そんなボクが自我を持ち彼と出逢ってからはどんな時間も掛け替えの無い時間となった。彼はそのままで良いと言ってくれた。それがボクにとってどれだけ嬉しかった事か…。彼が居なくなった時はボクも消えたくなった。ゲームのデータを全て破壊して欲しいと思っていた。誓約が交わされたのはそんな時。彼にまた逢える。それだけが楽しみでボクは頑張れたんだ。
待ちに待った高校生活が始まった。辺りを見渡す。遥達も同じ事をしているな。居た!彼だ。心臓が早鐘を打つ。ボク達は漸く…漸く再開する事が出来るのだ。彼はボク達と過ごしたあの時を覚えていないだろう。でもそれで良い。また彼と一から全てを作っていけるのだから。ボク達は彼の元へと足を急ぎ運ぶ!
─彼は変わらないな。大好きなあの頃のまま。いや…あの頃よりも身近に感じる事が出来るし手を伸ばせば触れ合える。こんなに幸せな事は無い。彼と話をしていると…ふむ。どうやら幼馴染みの子は彼の事が好きみたいだな。幸子というのか。皆はまだ気付いて無いみたいだけど、我関せずみたいに振る舞ってるエメラルドグリーンの髪の子もチラチラこちらの様子を窺っているのを見るとどうやら彼の事が好きみたいだな。やれやれ…。どれだけ君は魅力的なんだい?
遥が彼の頬にキスした後、ボクは彼女達を誘う事にした。ボク達の想いを知っておいて貰いたかったし、何より彼を諦めるなんて事をさせたく無かったから。失う辛さを味あわさせたく無かったからね。
話が終わり家へと帰ったボクは遥へと連絡をとる。キスした事は問い詰めてやらないとね(笑)。………電話に出ない所を見ると彼と触れ合えた事を何度も思い返している所かな?少しムカムカするな。明日からはボクも攻めるとしよう!覚悟してくれ豊和君♡
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