第6話話すべき

『アイコンタクトを発動しますか?』

─勿論イエスだ!


「いや、別に…」

(おい、豊和。麻季は何に気付いた?)


「だよな。俺等は別に何も」

(分からん。お前のコレクションじゃないのか?)


(マジか…。あれはバレる訳にはいかないんだが…)


「あのさぁ、何年一緒に私も居ると思ってるの?」

(2人共心で会話してるのは雰囲気で分かるんだからね!)


「…そうだな、長いもんな俺達!」

(どうする豊和?)


「もしかして直弘の携帯の動画コレクションじゃないのか?」

(すまない。直弘。俺にはこうするしか…)


「ソンナモノナイヨ!」

(テメェ!あれは秘蔵中の秘蔵なんだぞ!)


「その話は後で聞かせて貰うからね、直弘!!!(ニコリ!)」

(まだ性懲りも無く持ってたのね?)


「いやいや、豊和の勘違いだから!」

(…豊和憶えてろよ!クソッタレ!)


「まぁ、冗談はこれ位にしておいて私は?」


「「!?」」

(怪我の事か?)

(それしか無いよな?)


「はぁ~…どうして分かった?」


「そうだねぇ、昨日直弘が大声で電話していたからかな…」

「直弘お前…まさか…」

「いや、寝てると思ってたし、それにわざわざキッチンの方に行って電話したぞ俺は…」

「だから内容迄は分からないけど、麻季にも言わないから本当の事を言えみたいな事言ってたでしょ?」


「明らかに直弘!お前のせいじゃないか!ったく、麻季が居る時に電話して来るとは…流石麻季ともいえるが…」


「いや、だって心配だったんだから仕方ね~べや。サス麻季なだけだろ?」


「略すのは止めてね。で、豊和君は私にも教えないつもりなのかな?」


「分かった分かった。怪我した直後は問題無かったんだけど病院に行く直後位だったかな?左肘から下が感覚が無い上に全く動かないだけだよ…」


「えっ?」


「おい、豊和!リハビリすれば治るんだよな?」


「…先生が言うには勿論リハビリと食事療法等医学も発展して来たらしいから動かせる様にはなるだろ?」


「それって動かせない可能性があるんじゃ…」

「いや、大丈夫だと俺は思ってるよ」

「今は包帯しているけど抜糸したらバレるよね?」

「ああ、だから抜糸したら病院でこけて手を捻って動かなくなったとか言うしか無いだろ?」

「…助けた先輩の為?」

「ああ、責任感じるだろ?」

「相変わらず優しいんだから…でも…その前に皆にバレると思うわよ」

「…理由は?」

「昨日は怪我した直後だったからまだ良いけどずっと一緒に居る訳だし、何より好きな人の事は一挙一動見てるからが理由かな?」


「…そうか」

「流石俺の麻季だな。今の言葉惚れ直したぜ!」

「ありがとう直弘。動画は消すけどね」

「うっ…豊和恨むからな?」

「麻季居るのに必要ね~だろ直弘?」

「そうだそうだ!流石豊和君。良い事言うね?」

「…男のロマンだろ?」

「「そんなもの無い(だろ)(わ)!!」」


「…真面目な話どうする?」

「私はバレる前に豊和君の口から言った方が良いと思うけど…特に助けた先輩には…」

「…思い詰めたりしないか?」

「私は逆だと思う。自分を助けて怪我して手が動かなくなったら自分が代わりに手になってあげたいと思うもの」

「…それは縛りつけてしまうんじゃないのか?」

「今更だと思うけど…」

「麻季の言う通りかもな…」

「…直弘迄そう思うか?」

「もう昨日言った通りハーレム目指すしか無くね?」

「私もそう思うし逃げられないと思うよ」

「…逃げられない?」

「だってたった2日程で色々変わって一緒に同棲してる訳でしょ?普通じゃあり得ないでしょ?」


「……」


「麻季の言う通りだぞ豊和」

「昨日迄の直弘は何処に行った?」

「言うべきよ?」


「…考えとく」

「言うなら早い方が良いと思うよ!」

「了解」


 言ったら言ったでまた一悶着ありそうだよな?はぁ~、憂鬱だ…。誰か代われるなら代わってくれないかな?どうしてこうなったんだか…。






********************

あとがき♡

筆者頑張れ~と思われたら星下さいまし!

そしていつもお読み頂き誠にありがとうございました。美鈴でした♡

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