第24話声

 愛美先輩が連れて来てくれた黒服の男の人達がしっかり馬鹿達を捕まえて連れて行ってくれる。警察に引き渡すそうだ。


「「「許してぇー!離してぇー!」」」


 今更泣いて後悔しても遅いだろ?


「ぐぅぅ、そこの貴様…俺の胯間をよくもぉぉ、よくもぉぉぉー!後で絶対に殺してやる!殺してやるからな!」


「…あら、出来ると思っているのですか?」


「…何だお前は?突然割り込んで来やがって。俺の父親を誰だと思っているんだ?」


「…それが何か?」


「クックックッ、後でアイツを殺してお前も真冬も酷い目にあわせてやるからな?」


「そうそう。1つ言い忘れておりましたわ。川添副会長。先程、!」


「はっ?………馬鹿な!そんなのは嘘だ!出鱈目だ!嘘だぁー!」


「貴方様がどう思われ様と事実ですわ。ではごきげんよう。皆さんこの者達を連れて行って下さいまし!」


「「「「「はいお嬢様!!!!!」」」」」



─そんなやり取りが行われている横で俺はというと、


「大丈夫ですから、真冬先輩大丈夫ですから落ち着いて」


「松山君、血が、血が…そうだ、待ってて」


 真冬先輩がボタンを千切られ羽織ってるだけのブレザーを脱ぎ、ブラウスを脱ぎ捨てた。綺麗な鎖骨…きめ細かい白い綺麗肌…そんな白い肌に映える黒いブラジャー…ってイカン!俺は視線を真冬先輩からそらす。愛美先輩と視線が交差する。


(きゅ・う・きゅ・う・しゃ・が・く・る・ま・で・お・ふ・た・り・に・し・て・さ・し・あ・げ・ま・す・わ)


 おお~、愛美先輩口パク上手いですね。ちゃんと伝わりましたよ。救急車が来るんですね!俺は首を縦に振ると愛美先輩は音楽室を後にした。えっ…何故、愛美先輩は居なくなるのですか?流石に2人っきりは気まずいのですが…


 直後ビリビリッ!っと何かが破れ怪我してる腕に何かが巻かれ始める。ブラウスを破いて包帯代わりにしてくれてるっぽい。


「つぅ…」


「ほら、痛いんじゃないの!」


「いや、平気、平気です」

(やべぇ!声出ちまった…)


「もぅ…松山君はもう(怒)……はい、一応包帯代わりに巻いたけど絶対に動かさないでね!分かったわね?」


「…はい、真冬先輩」


「…松山君…どうして向こう向いてるの?」


「いや、それは…」


「お願い、こっちを見て…」


「……」


視線を真冬先輩の顔へ。出来るだけ視線が下に向かない様に…。あれ、やけに真冬先輩の顔が至近距離に…涙を拭った顔も凄く綺麗だな…唇に柔らかなプニッと感触…えっ!?


チュッ♡


「…ま…真冬…先輩?」


「んっ…改めてありがとう松山君。松山君のお陰で私は綺麗な身体のまま松山君に引き続き恋をして私の全てを捧げる事が出来るの。本当にありがとう松山君♡」


「あ~捧げる云々はまたにして…はい…真冬先輩が無事で何よりですよ…」


「そこは楽しみにしていると言って欲しい所だけど…でもどうして…どうしてここに来る事が出来たの?」


「……そうですね。信じて貰えるか分かりませんが声が…声が聴こえたんです…」


「…声?」


「はい…助けてって真冬先輩の声が…」


「…そっかぁ…フフフ」


「どうしたんです急に?」


「私達はやっぱり繋がってるんだよ!大好きだよ…豊和君♡」


 そういって真冬先輩は抱き付いて来た。上半身はブラのみ。柔らかな2つの感触が俺の理性をガリガリ削っていく。落ち着く為に深呼吸しても物凄く甘い匂いが鼻腔を刺激…!俺にどうしろと…!思春期の男子を思いやる心を女性に与えて下さい神様~ぁ…。


それにしても腕の痛みは麻痺してきたか?何ともなければいいけどな…。



 




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