第23話間に合え
「んんん…んんん!…んんっ!」
「残念!ほらもぅ、見える…」
───ガチャーン!
「「「「なっ!?」」」」
「んんっ!?」
「おい!クソ野郎共!何をしてるんだ!」
「誰だよ、コイツ?折角良い所だったのに…」
「ヤバくないですか?」
「お前も加えてやるよ?」
「マジ最悪ッス!」
「おい!真冬先輩から離れろよ!」
「はいはい。分かってますよ。離れれば良いんだろ?」
「「「チッ!!!」」」
真冬先輩から離れた!俺は慌てて真冬先輩に駆け寄り口に詰められたモノを取り出す。良かった!ギリギリ間に合ったかな?
「グスッ…グスッ…ありがどぅ……うぅっ…まづやまぐん…グスッ」
「…ところでお前一人か?」
「だったら…」
─ニヤッ!
「危ない!」
咄嗟に身を
「松山君!松山君血が…血がぁー…」
「大丈夫ですよ真冬先輩!」
どうやらナイフを手にしているところを見るとアレで切られたみたいだ。左腕をチラッと見て確認。肘から手首に向け15センチ位の切り傷。力を入れる、問題ない、今は動かせる。そしてブレザーを脱いだ。
「何を余裕ぶっていやがる!お前を刺してから俺の真冬を犯してやる!」
「はぁ~、誰のモノでも無いだろ真冬先輩は!それにそのお粗末な汚いモノを早く直せよ!見苦しいぞ馬鹿っ!」
わざと煽る事を口にする。
「何だとぉ!」
「ナイフはヤバいんじゃ!」
「川添先輩!それはマズイんじゃ!」
「マズイッス!」
「お前等は黙ってろ!どうせコイツを殺っても俺の父親が揉み消してくれるさ。真冬の事は俺に任せてお前は死ねよっ!」
「大丈夫だから離れてて真冬先輩!」
「松山君!」
馬鹿正直に正面から突き刺しに来た。悪いけど刺されてやるわけにはいかない。脱いだブレザーを出来るだけ広げながら相手に向かって投げる。駆けて来た足が止まったと同時に胯間に向けてドライブシュートー!
まぁ、普通に胯間を思いっきり蹴り付けただけだけどね。
グシャッ!
─っと、ちょっとというかかなり嫌な感触。ナイフを手放し落とした男が前のめりに倒れる。すかさず背中に乗っかり両腕をとる!絶対に離さない!
昔見た動画が役に立って良かった~!マジで。本来ナイフを持った相手には逃げるのが一番良い。逃げれない時は上着や何か投げれるものをとにかく投げて注意を引き胯間を思いっきり蹴る事とあったもんなぁ~!今回はホント上手くいって運が良かったよ…。
「アイツやべぇ!」
「逃げるぞ!」
「早く逃げるッス!」
「逃げれるとお思いですか?」
「「「なっ?」」」
「「愛美(先輩)!!」」
愛美先輩の後ろにはガタイが良い黒服の何人もの男達が控えている。愛美先輩のSPの方々の登場かな?これで安心だな…。ホント間に合って良かったよ。さっきまでは一応アドレナリンが出てたのか痛みをそんなに感じなかったのに安心したら痛んで来るとは…。もう少しだけ我慢しないと真冬先輩に心配掛けてしまうな…。我慢だ俺…。
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