第16話テスト前の2時間目

「さぁ…2時間目の授業が始まった訳だがまずは根来君?」


「…はい」


「どうした元気が無いぞ!1時間目の事は気にしなくても大丈夫だ。皆にとっても有難い話になってるしな」


(1時間目の事は言わないでくれ先生。折角誤魔化す事が出来ていたのに…ほらっ…2人がこっちをハッとしたような表情で見ているだろ…)


「で、次の時間。いよいよテストの時間となる訳だが君はパートナーを誰にするか決めているのかい?まぁ、聞かなくても予想は付くがね…」


(そりゃあ…そうだろ。麻季一択。次回はどうするのかは分からないが…)


「…そうですね(ニヤリッ!)」


(んっ?何だよ直弘…その笑いは…)


「波多野深雪さんを指名しても良いですか先生?」


「「えっ!?」」


─俺と深雪の声が重なる。


「ほ~白金さんじゃないのか?以外だな…波多野どうするんだ?」


(待ってくれ…直弘お前は深雪の事も?)


「わ、私は…」


「…ま…待ってくれ…」


「どうした松山?」


「い、いえ、何でも…」

(何で俺は待ってくれなんて…)


「何でも無くは無いだろ豊和?」


「…っ!?」


「俺の相手を波多野がすると思ったらお前はどう思った?正直に言わないと後悔するぞ」


─深雪に視線を向けると深雪もまた俺に視線を向けていた。縋る様に哀しい目をしながら。


(…俺は深雪を悲しませたく無いんだよな?でも、まだ付き合ってくれとか好きとかハッキリ言えなくて、あ~、くそっ!とにかく直弘とそういう事するのを想像すると俺は嫌なんだよな?)


「豊和。お前の事だからまだ付き合うとか好きだとかハッキリ分からないんだろうけど敢えて言うならだ、少しでも嫌だと思うのなら最初は波多野に頼めよ!アイツがどんだけお前の事を好きかを俺は知ってるしな。と言う事で先生!俺の相手は予定通り麻季一択で」

「白金さん、どうするんだい?」

「勿論返事ははいです」

「ふむ。これで一組は決まったな。素晴らしい男だな根来君は!幼馴染みの後押しも素晴らしい!皆盛大な拍手を!」


─パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!


「続いて松山君なんだがその前に、先生からも一言。難しく考える必要は無いんだよ?誰かしらが君の相手をするんだから。だからもう少し気軽に考えたまえ!幼馴染みの幼い頃からの想いに今は答えられなくても想われてる娘をパートナーには選んで置くべきだよ?まぁ、それでも別の人を選ぶなら先生が相手になろう!アヒャヒャヒャ…!」


「…深雪…先日告白されたばかりでまだ付き合っても好きともハッキリ出来ない俺だけど…最低な男だけどパートナーになってくれるか?」

「喜んで/////!!!」


授業中なのに深雪は俺の胸に飛び込んで来る。ぎゅーっと胸元に顔を埋め抱き付いてる深雪の頭を優しく撫でる。周りでは黄色い歓声が上がっている。


「付き合うのとかそんなの後でで良いの!私を最初に選んでくれた。それだけで…嬉しいから/////私、頑張るから♡」


「あ、あんまり頑張られても…」


「よしよし!じゃあ波多野はそのまま授業を受けてくれ」

「えっ!?」

「…はい/////(やった~!)」


「それでは残りの時間は社会の復習からだ」


「「「「「はい!!!!!」」」」」


「おっと、そういえば皆にも一言言っておくが今回はこう収まる所に収まった訳だが次のテストがあるのだから各自頑張る様にな!」


「「「「「はい!!!!!!」」」」」


「うん!それでは、この問題から…」



─こうしてパートナーが決まった。いよいよ次の時間はテストだ。どんな段取りかは分からないが深雪が知ってるだろうし任せるしかない。さてさてどうなることやら。俺の羞恥心限界を迎えなければ良いけど…。










******

本編は最初のパートナーはやはり深雪にする事にしました。かなりなやんだのですが。需要があればパートナーが別のヒロインで書いて見たいと思っております。

美鈴

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