第2話監禁1日目

「…飲み物は良いから取り敢えず服を着させてくれると有難いんだけど…」


「はっ?」


また圧を感じる。服を着るのも地雷かよ!?


「…愛する二人の前に布切れなんか必要無いよね?」


「おっしゃる通りで…す」


「ほら、私だって何も着てないんだから!」


 そう言って俺の背後から目の前にようやく姿を見せたのは金髪ツインテールを揺らしながら(別のところも揺れてるけど)ポーズをつける見た目は可愛いハーフと分かる女の子。薄暗い部屋の灯りに照らされる姿は正直非の打ち所が無い。


「どう?」


「どうって……うっ!?」


 何を答えようか迷って言い淀んでしまった瞬間だった。彼女の目がどす黒くなった気がした。


「女の子が好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで堪らない人の前でありのままの姿を魅せているのにそれだけなの?ねぇねぇねぇねぇねぇ!」


「ヒッ!?とても…綺麗です…はぃ…」

(これは…アレか?ヤンデレというやつなのか?小説やアニメではヤンデレ良いなぁとか思った事もあるけど実際にこうなって体験すると恐怖しか無いんだが!?)


「ウフフ♡だよね?私綺麗だよね?君の為に自分を磨いたし、君だけにしか魅せた事無いんだから♡」


「…光栄です。でもどうして俺を?」


「運命に決まっているよね?あの日、君を始めて見かけた時からこの二人きりになる瞬間をずっと待ってた。私でも茶道グループの茶道愛美は厄介からね…」


「愛美先輩を知ってるの?」


「愛美…先輩…ねぇ。私の前で君は他の女を名前で呼ぶんだ?」

「…間違えました。茶道先輩です…」

「うんうん、そうだね!それで良いんだよ!とにかく毎日君の事は見ていたんだから君も私だけを見る様にね!そうそう、それで茶道の話だったね。私の家も茶道程では無かったんだけど元々金と力はあったんだよ。君の為に最近私頑張って張り合える力を手に入れたの。凄いでしょ?嬉しいでしょ?愛の力だよね!だから茶道でもおいそれとは手を出せないし君がここに居ることは分からないでしょうね!茶道の話はこれでおしまい」


(茶道グループと渡り合える力を手に入れたって?凄すぎる…)


「ところでは何で反応してい無いの?私綺麗なんだよね?おかしいよね?私の裸を見てるのに?私は君に反応しているのに!君との子を孕めると思うだけで私は濡れてるのが分かるよね?垂れてくるんだから!今日は愛の結晶が必ず出来る日なんだよ?君も私の中に入りたくて堪らない筈だよね?そうだよね?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?」


「…嗚呼…これは…」

(やべ~よ、やべ~よ!?目のハイライトが消えてやがる!?ハイライトが消えるってどんなだよとか思っていてすいません。ホントに消えて何でも吸い込むブラックホールみたいになってるぅぅぅ──────!)


「(そうだ!)実はさっきからトイレに行きたくて行きたくて。だから反応しないんだよ!だからトイレに行かせて貰えると助かるんだけど…」


「そっかぁ♡そうだよね?私を見て興奮しない訳無いよね?我慢してたんだね?良いよ!早く今すぐ済ませて!」

「うん?だからトイレに…」


「し尿ビンを持ってきてるから大丈夫♡さぁ、豊和シ~シ~しましょうね!」


 余計な事を言ったと早くも後悔する。こんな中出るわけねぇー!抵抗出来ないし、し尿ビンを添えやがっただ…と!?


「はい豊和シ~シ~だよ!シ~シ~!」


 俺は考える事を辞め無心になり無理矢理絞り出す。嘘は自分の首を絞めかね無いと実感する俺だった。

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