最終話この世界にこれて…

 本当に人間の一生というものは早いものだ。あっという間に年を取ってしまう。まあ、僕の場合は多分だけど二度も人生を歩む事が出来た…。これ以上何も望む事は無いだろう…。



 ゲームの世界に転生…。転生して出会った幼馴染み、ヒロイン達、親友、それに僕を好きになってくれたみんな…。こんなに多くの人に囲まれて愛され愛したんだ…。子供の数も現世では考えられない人数を授かる事が出来た。直弘も同じ様に授かった。



 一つだけ…そう、一つだけ気になるのは三穂が最期に遺した言葉…。


「また…私が先に逝きそうだね…ごめんね」


「俺も…もうすぐだろう…。だいぶ年取ったしな。先に行って待っててくれ…。みんなと…」


「うん…待ってる…」



 また…先に。もしかして、前世で…



『そうじゃのう…』


「おじいさん?」


『ほっほっほっ…久し振りじゃの?』


「ええ…お久しぶりです…。と、言っていいんですかね?」


『よいよい…』


「もしかして、おじいさんは神様だった?」


『わしが神ならもう少しうまくやっとるよ』


「…でも、俺をこの世界に連れて来てくれた?」


『…よく人間界では大切にしたものに魂が宿るというじゃろ?』


「はい」


『わしはお主が大事にしていたこのゲームそのものじゃ…』


「…あれは…友達の形見で…形見!?」


『思い出したか?』


「…そうか…だから三穂は…」


『まあ、お主と彼女の想いが伝わっただけじゃよ…』


「ありがとうございました!」


『ほっほっほっ…礼には及ばんよ…』


「いくらお礼を言っても言い足りないです」


『なんか終わりみたいに言うのぉ?』


「えっ?」


『ゲームにはセーブデータを引き継いでのNEW GAME!!が必ずあるじゃろうて…』


「それって…」


『記憶そのままに…今度は最初からあの世界で生きてみるがよい…お主達のお陰でまたわしは力が満ちたのじゃから…』


「ありがとうございます!何度も僕を…」


『しっかり三度目みたいに良い人生をな』


「えっ?3度!?」


『まあ、おいおい思い出すじゃろう!じゃあの!』


「ま、待って…」





******



「豊和…みんな待ってたよ?」


「うん…待たせてごめんね?さあ、今度も良い人生にしようか?」


「「「「「「「「うん!」」」」」」」」

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恋愛ゲームのモブに転生した俺!~ヒロインキャラが全員好感度MAXなのは気のせいでしょうか? 美鈴 @toyokun

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