第5話女の子の話

「さぁ、好きな物を頼んでくれ。今日はボクが奢るから」


「うん…じゃあ、コーヒーを」

「私も深雪と同じコーヒーで…」


「うん。分かった。すいませ~ん。注文いいですか?コーヒーを3つお願いします!」


「畏まりました」


「コーヒーが来たら話をしようか」


「「…うん」」





──「お待たせ致しました。コーヒー3つお持ちしました。………それでは失礼致しました。ごゆっくりどうぞ!」


「ありがとう。─さて、コーヒーも来た事だし予定通り話をしようか。まずは自己紹介からかな?ボクは今野唯。唯で良いよ。同級生だしね」


「さっきも言ったけど私は仁田野幸子。豊ちゃんの幼馴染み。私も幸子で良いよ」


「私は波多野深雪はたのみゆき。深雪で良いよ。私は2人とは中学生の時に知り合った仲かな」


「うん。分かった。宜しくね、2人共。早速だけどとても大事な事から聞くよ。これを聞かないと話が出来ないからね。2人は豊君の事を好きなんだよね?」


「「…っ!?」」


「正直に答えて欲しい。とても大事な事なんだ」


「…好き…よ。私は豊ちゃんが好き…幼い頃からずっと…」


「…私も好きだよ。幸子が好きなの知ってたのにいつの間にか惹かれて…気付いた時にはどうしようもなく好きになって幸子に謝ったんだよね」


「そうだねぇ、懐かしいね。人を好きになるのってしょうがない事だもん。しかも同じ人だもんね。あの頃から私達…豊ちゃんに気持ちは伝えて居ないけどライバルであり友達だもんね!豊ちゃんが鈍いだけだとは思うけど…」


「そ~そ~!豊和、肝心な所は鈍いから…」


「うん。やっぱりそうだよね。だからこそ2人と話がしたいと思ったんだ」


「それは唯も豊ちゃんが好きだという事よね?」


「そうだね。大好きだよ。愛してるといってもいい。《僕達5人は皆同じ気持ちを持っている》!」


「午前中豊ちゃんの所に来てた人達だよね?」


「そうだよ」


「でも豊和とは初対面なんですよね?」


「………今から言う事はとても信じられる話ではないけれど僕の話を最後迄聞いてくれたうえで君達2人に判断して欲しい」


「「…うん、分かった」」


「まず


「「えっ?」」



「な…にを言って」「だった?」


「真実だよ。でもだよ」


「「そんな話…」」


「うん。突然言われても絶対信じられないと思う。でもね、。まぁ、だからこそ遥が真っ先に豊君の頬にキスした時は正直先を越されたと思ったし羨ましかったけどね!」


「…その話が真実だとして私達に話した理由は?」


「それはね。


「その話が本当なら何故会いに来なかったの?私達より早く豊和に出逢う事も出来たんじゃない?」


「僕達も勿論直ぐに会いに行きたかったさ。でも、…とにかく僕の話を聞いて君達がどう思うかは分からない。でも彼の事が好きなら僕達と一緒に彼を幸せにする気はないかい?本当に彼の事が好きなら僕は君達を受け入れるよ。だからこそこうして話をする場を設けたんだ。何より君達は豊君を諦めきれるかい?」


「話は分かったよ、唯。その話…私は信じる。唯の顔見てたら嘘とは思えないし、私は豊ちゃん以外は嫌!」


「そうだね。幸子の言う通り、どうしてか嘘では無いと分かるわ。それに私も豊和以外見れないかな」


「ありがとう。信じてくれて」


「でも、1つだけ良いですか?」


「何かな?」


「豊ちゃんが誰も選ばなかったら?」


「それは無いよ!」


「何で?」


「バッドエンドは用意されてないからだよ。だから。ただ…」


「「ただ、何っ?」」


「豊君のファーストキスは争いになるかもね。頬にキスは奪われたから皆積極的になるだろうしね。僕も含めて!これからはデートにも誘うだろうしね。そこは幸子も深雪も自分で積極的にならないと出遅れるよ?」


「いいわ、負けないから」


「幸子に同意!」


「うん。じゃあ宜しくね」


「ちょっと待って!」


「んっ…まだ何かあるかな?」


「豊ちゃんが1人しか選ばない場合があるわよね?」

「確かに」


「いいや、それは…まぁ、いいか。そのうち分かるから!豊君の性格を考えれば妥当なんだけどそれを許す程僕達は甘くないよ!だから2人は気持ちを伝える所からだね!」


「…確かに気持ちは伝える様にするわ」

「私も…」


「まぁ、とにかく頑張って落としていくとしよう!」


「「うん」」

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